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間接業務改革のポイント(1)

1.今日の間接部門改革の必要性

 ものづくり企業において、次のような言葉を良く耳にします。「現場の改革は過去徹底して行ってきが、間接部門の改革はどのように進めたらよいのか?「本来、間接部門は創造的業務を行いたいが、 日常業務処理に追われていて、間接現場は人を増やしてほしいと言っている。価値を生むどころではない。」、「リーマンショック以降、物量が急減して、間接人員の比率が極端に大きくなってしまった。 でも、間接の仕事の量そのものは減っていない。なんとか効率化しないとコスト的に立ち行かなくなる。」など、企業競争が激化する今、間接部門の改革なくして企業の生き残りが難しくなってきたことを 伺わせる内容が多いようです。
 現場の改革では、徹底的な改善をしてきた企業も、間接部門の改革となるととたんに足踏みをしてしまう場合が多いようです。市場の成長が間接部門の肥大化を吸収してきた右肩上がりの時代は去り、 市場の変化による多品種少量と競争激化が進んでいるため、仕事そのものは減っても、業務そのものは増えているのが実態です。
 ここで言う間接部門とは現場間接スタッフ、生産技術や設計、研究開発、資材や品質管理などの事業支援スタッフ、総務、経理、経営企画などの管理部門スタッフなどです。これら間接部門が肥大化する 理由は、製品が高度化に伴い業務が多岐に渡ってきたことにより、組織の分散と組織間の協働化が不足していること、業務があちこちで重複しながら、業務そのものが属人化していることによると考えます。
このため、従来の間接部門の改革は、

       (1)業務の棚卸し分析(見える化)
       (2)業務の2Sによる重複業務・ムダ業務の排除・不足業務の補填
       (3)業務の可視化・標準化・マルチスキル化・グループワーク化
       (4)余力創出による少人化・活人化
       (5)価値創出

の手順で徹底的な業務の効率性を追求し、創出余力を新規事業に振り向けることによって、価値を向上させるマネジメント力を強化してきました。
 しかしながら、市場の変化が激しい現在、さらに価値を上げることを徹底しない限り、つまり、間接部門が戦略的な役割で行動をせずして、 企業間競争の生き残りを図るのは難しくなってきていると考えます。今後ますます人・組織の知恵とアイデアを結集し、ものづくりにフィードバックする 動きが必要となって行くものと考えられます。
 もし貴社が、厳しい環境の中で、国内事業そのものの存続や弱体化が進み、間接を含めた人財の活用に苦しんでいるとしたら、従来の間接部門改革の スピードでは勝ち残る保証とはなり得えないのではないでしょうか?間接組織そのもののあり方を見直し、リーダーシップを強化した人・組織を中心と した成果創出集団をつくることにより、間接部門の構造そのものを変えて行かなければなりません。間接部門の改革も、その対象を業務の変革から、 人・組織の変革と成果の抽出に視点を移していく必要があります。

2.新しい間接部門改革の必須要素

 今後の間接部門改革として、具体的に説明していく前に、人・組織を中心とした改革を加速化させて行く上での必要条件を示しておきます。
 間接部門の戦略的な支援組織の役割として、ビジネスターゲットを事前に察知し、直接部門を支援していくスピード行動力が望まれます。
これを3即・3徹・協働の組織と言いますが、「組織としての知恵」×「努力」×「協働力(節点の連携)」=「速さ」で勝敗が決まります。

(1)組織の知恵を養う

 厳しい環境の中では、組織協働で巧妙に罠を仕掛け、獲物をたくさん獲るものが、生き残れます。ひとりではなく、組織協働で罠を仕掛けることは、 組織が生き残るために必要な才能であると見なされます。ただ、罠を張るような組織の才能がなければ勝てないと言うわけではなく、力量が異なっても、 勝つ道は残されています。陸上の短距離であれば、先にスタートすることです。5秒先にスタートする考え方も間接部門として必要な組織の知恵です。

(2)組織の努力を養う

 ノーベル賞を受賞した利根川進さんの優等生のネズミと劣等性のネズミの話があります。内部を見えないようにした深いプールへ踏み台から ネズミを突き落とします。突き落とされたネズミはあわてて泳ぎだし、その内に水中に固定された浅瀬へ偶然たどり着き、溺れずに立つことが出来きます。 これを何十回か繰り返すと、要領のよいネズミは浅瀬の位置を覚え、まっすぐに浅瀬へ向かいますが、要領の悪いネズミは、何度やっても記憶が出来ず、 その都度もがき苦しみながら浅瀬にたどり着くことになります。要領のよいネズミは形を求めたがる優等生であり、要領の悪いネズミは、劣等性ですが、 ただ単にあきらめないネズミです。
 これを百回程度繰り返した後、浅瀬を移動してやると優等生のネズミはまっすぐ、今まであった浅瀬に向かいますが、そこで浅瀬がないことに気付くと、 途端に混乱し、浅瀬を見つけられず、混乱して溺れてしまう場合があります。これに対し、劣等性のネズミはいつもと同様にあちこち動き回り、 その内浅瀬に辿り着きます。その時間は、いつも同様です。市場環境(浅瀬の位置)はいつも同じとは限りません。浅瀬の位置が変わっても(変化しても)、 対応できる行動と努力が必要です。いつも同じ努力をする人はばらつきが少なく。優秀な人はムラが多いのはそのためです。優秀な人のムラも相乗効果で は力を発揮する時もあれば、その逆もあり得ます。常に他社に先んじるためには、常に先を行く判断と継続する努力がなければなりません。これらの 両立が最も優れた企業と言えます。

(3)新しい間接部門改革

 新しい間接部門改革では、ただ単に業務の棚卸しから、業務の見直し、効率化を行っていくものではなく、間接部門としての組織の知恵と 努力を結集し、 効率化を図るだけでなく、戦略機能の強化を図っていくことが必要と考えます。以降、そのポイントをまとめて行きたいと 思います。

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<<執 筆>> 株式会社テクノ経営総合研究所  丸田 幸寛

大手電機メーカー、外資系メーカーにて、生産部門、研究開発部門、量産プロジェクト、共同開発プロジェクトの実務マネジメントを経て、経営コンサルタントとなる。短期で大きな成果を上げ、さらに永続的に発展させるしくみ構築を行っている。 生産・開発・ロジスティック分野の独自メソッドを確立し、様々な業種にて意識改革に重点をおいて経営革新に取り組み、高い評価を得ている。

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