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間接業務改革のポイント(2)

2.人財化の仕組みづくり

 前号では、これまでの標準化という考え方にばかり拘るのではなく、人の成長に軸を置いた“攻め”の改革を進めるべきであるということを述べました。今回は、これらのポイントについて解説致します。

(1) 業務レビューで気づく力を養う

 間接部門の製造現場との決定的な違いは、業務の出来の良し悪しを判断し難いという点です。製造現場は日産○台や歩留り○%といった具合に日々の仕事を評価できますが、 間接部門ではそれに該当するものがありません。標準時間を設定し実績と比較するという方法もありますが、今日のように非定常業務が多い間接部門には馴染みません。
 このように、業務の出来を定量化することは困難ですが、大切なことは定量化ではなく、一人ひとりが自身の業務を省み、向上心を持って“常に考える”ということなのです。
 日々の一つひとつの業務に対し、迅速に正確に業務を遂行するためには、どんなスキルが不足しているのか?
 今保有している情報やツールにどんな問題があり、 どうすれば良くなるのか?
些細なことでも良いので、気づいたことを毎日記録することから始めます。私はこれを、“気づき活動”とも呼んでいます。何の制約もつけないという 意味では、ブレーンライティングに 似ているかもしれません。この取り組みにより、問題に気づく力を養うとともに、社内外で必要とされていることにリアルタイムに順応するという、 変化対応の仕組みを構築できます。
 また、これを継続すると、自然と業務をテキパキと迅速に処理しようという発想になり、いわゆる“自助管理機能”が働くという効果もあります。
 実は、何の改善をしなくても、この“業務をレビューする”という行為だけでも生産性は向上するのです。

(2) スキルアップを着実に進める

 人財化を進める中で、従業員のスキルアップ(技能の習得)は最重要課題の一つと言えます。機械は能力に限界がありますが、人はその能力を幾らでも向上させることができます。 にもかかわらず、“多忙”を理由に後回しにされてしまっているのが実状ではないでしょうか?
 スキルアップを着実に進めるためのコツは、大きく2つあります。
1つ目は、 “必要最小限”に絞り込むこと。例えば“財務会計”や“プログラム言語”など聞いただけでも気が遠くなりそうです。これらを、前項の業務レビューの記録を基に、 「○○の○○が できるようになる」と言い換えてみてください。「A製品の原価見積りができるようになる」といった具合です。これだけで必要最小限になります。
2つ目は、短サイクルで習得して いくということです。2~3ヶ月周期で習得できるように、目標とするスキルの難易度やボリュームを調節します。見果てぬ目標を掲げれば、 忙しくなると頓挫します。実行可能かつ 必要最小限のスキルを、決められた周期で着実に蓄積していく仕組みを、会社全体として導入すべきです。

(3) ミーティングを義務化する

 “人の成長”を促す、最も簡単で効果のある方法があります。それは、“まねる”ということです。ベテランの知識、新人の問題発見力、アイデアマンの独創性、 若手の バイタリティーなど、まねるべきことは周りに溢れています。しかし、分業化・標準化とともにコミュニケーション機会が減り、考え方や意欲を水平展開する仕組みが失われています。
忙しい同僚をおもんばかって声を掛けられない、話しをするのが苦手などの理由から、一人で悪戦苦闘しているのを良く見かけます。
であれば、ミーティングを“義務化”して しまいましょう。例えば、週1回ミーティングを開き、日々の業務の中で発生している問題や課題を、職場の皆で考えるという取り組みを行い、 “まねる”を促進していくのです。

(4) 無理なく日常に組み込む

 以上、3つのポイントを述べましたが、ご覧頂いた通り、手法の奇抜さなど微塵もなく、当たり前のことを当たり前にやっていくだけなのです。
しかし日々の業務に忙殺され、 多くの企業が後回しにしがちです。これらをどのように無理なく“仕組み”として日常に組み込んでいくか、それができている企業とそうでない企業、
2~3年もすれば大きく差が ついていることは言うまでもありません。
        

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<<執 筆>> 株式会社テクノ経営総合研究所  平井 康之

大手化学メーカーにおいて、モノづくりのノウハウとQC、IEを活用した品質管理や省力化手法を習得。また、設備部門マネージャーとして、新規ライン立上げや設備改善に尽力・貢献した。これらの経験を基に 現職に就き、一貫した実践指導スタイルで経営成果獲得に全力を注ぐ。全従業員を巻き込んでいくヒューマンコンサルティングは、クライアント企業より高い評価を得ている。

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