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間接業務改革のポイント(4)

4.活人化とモチベーション

 製造現場のように、ムダを排除し効率化することで生産量を伸ばすことができれば良いのですが、間接部門ではそういうわけには行きません。「改善をすればするほど、 自分達の仲間が減らされていくのでは?」、そんな気持ちが拭えないまま、果たして改善・改革へのモチベーションは向上するでしょうか?

(1) 活人化とは?

 従来の省人化(リストラ)では、まずパートや派遣社員が解雇され、次に年配者という具合に、いわゆる“弱者”が排除されるといった構図でした。 待ったなしの逼迫した経営状況下では致し方ないという部分もありますが、これでは残された方々も「明日は我が身」とモチベーションを低下させてしまい、 自ら改善・改革を進めようという気持ちには至りません。
一方、“活人化”では、まず企業を存続、発展させていくための高付加価値テーマを探索することから始めます。3~5年あるいはそれより将来を見据えて、 自社はどのような軸で戦っていくのか? 市場の中でどこにポジションを陣取るのか?
 できれば、新興国との差別化を図るようなテーマに取り組みたいものです。これを掲げることが、従業員の未来、希望になります。そんな重要なテーマ ですから、取り組むメンバーは、各職場の“上位者”でなければなりません。そして、その余力を創出するために、全員参加でムダ排除や効率化といった 改善・改革を進めるのです。重要なテーマを任せられたことで上位者の能力が活かされ、また、残された方々は、上位者の穴を埋めるべく能力を高める ことで活かされるのです。
余力が出てからその活用方法を考えるのではなく、活用方法を先に示すことで従業員の改革へのベクトルを合わせ、モチベーションを高めていくのです。 テクノ経営では、これを“活人先行”と呼んでいます。

(2) 少人化体制の構築

 幾らムダ排除や効率化を進めたとしても、少ない人数つまり少人化体制で業務を処理していくのには限界があります。 例えば突発的な負荷増加や急な欠員などが発生した場合、 やりくりが大変になります。ですから応援、多能化が必要に なってきます。製造現場では当たり前のように行っていますが、間接部門ではなかなか浸透していません。<Br> そこで今回は、多能化による職場間応援のコツをご紹介します。まず、応援者は職場のエースを出さなければなりません。 この逆の事を行うと、人手が欲しいはずの応援先が、教えることに余計に手を取られてしまいます。エースを応援に出すことで、 残された方々が成長します。また、応援先においても、自分しかできないと思っていた業務を、有能な応援者がテキパキと 処理することで、刺激を受けて成長します。では、どのようなレベルの業務を応援者に任せればよいのか?
 難しいことを任せても、習得するのに時間がかかり応援にはなりません。逆に簡単なことでは、せっかくのエースの 能力が活かせないことになります。よって中レベル、それほど難しくなく、かつ応援者の成長に繋がるような業務が適当です。 そうすることで、応援者は自分の業務を早く終わらせて応援に行こうという発想に至ります。このように、応援者と応援業務を 正しく選択することで、あらゆる人材を成長させ、少人化体制はどんどん進化していくのです。

(3) 多能化が変化対応を強くする

 多能化は、初号で述べた“分業の弊害”をも緩和することになります。多能化・応援を通して、分業化によって失われた 視野や大局観を取り戻しながら、人脈を広げていきます。これにより、様々な変化に伴う職場間、部署間の調整ができる 人材が育ち、ゆくゆくは将来のマネージャー、幹部へと成長を遂げていきます。

(4) “人を活かす”を考える

 様々な雇用形態の出現によって、終身雇用制度は崩壊しつつあります。そのことで、せっかく育成した人材を手放すという 損失を生むばかりか、育成の土壌を揺がすといった状況を招いています。安易に派遣社員やパートに頼るのではなく、失われた 帰属意識や愛社精神を取り戻すためにも、もう一度原点に立ち返り、「どうすれば雇用を守れるのか、人を活かしきれるのか」 ということを考える必要があるのではないでしょうか?
        

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<<執 筆>> 株式会社テクノ経営総合研究所  平井 康之

大手化学メーカーにおいて、モノづくりのノウハウとQC、IEを活用した品質管理や省力化手法を習得。また、設備部門マネージャーとして、新規ライン立上げや設備改善に尽力・貢献した。これらの経験を基に 現職に就き、一貫した実践指導スタイルで経営成果獲得に全力を注ぐ。全従業員を巻き込んでいくヒューマンコンサルティングは、クライアント企業より高い評価を得ている。

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