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間接業務改革の勘所(2)

1.なぜ、間接部門の生産性は低いのか

 前回、「間接部門の生産性は低い」というところまでお話ししました。今回はそれでは「なぜ間接部門の生産性は低いのか」に触れたいと思います。これには以下のような間接部門独特の風土があります。

 (1) 生産性向上は製造部門だけという強い思い込み
 (2) 時間を消費するのが美徳の風土(休まず、遅れず、働かず)
 (3) 個人まかせ、個人ワーク(人に仕事が付いている⇒属人的)
 (4) プライド、自尊心が強く、干渉を拒む風土
 (5) 仕事の進捗、中身が見えない
 (6) 業務の細分化、分業制度ゆえに個人の裁量で業務を遂行することが可能
 (7) 過去の習慣、しがらみの業務形態の継続
 (8) 異常、トラブルの埋没

など

  これらを考慮に入れたうえで前回お話しした、人・仕事の側面をまとめると間接部門の低生産性の背景が見えてきます。
我々はこれを「間接部門の普遍的3大問題点」と称しています。

【間接部門の普遍的3大問題点】

 さらに「何をやっているのかが見えない」⇒「自分のことしか考えない」⇒「組織活動・全体最適の視野がない」したがって管理困難。 ゆえにこのままでは生産性向上活動ができないということになります。

「有能な人は限られている」⇒「有能な人には仕事が集中する」⇒「高負荷によりボトルネック化しがち」 (仕事が終わらない)⇒「有能な人のボトルネック化が生産を制約する」

 生産性は価値創出プロセスの機能の高さ、具合の良さを表す指標であり、生産性を常に監視していれば、生産性が基準値より低下した場合は プロセスのどこかで問題が発生していることが分かります(プロセス内の問題発見のためのツール)。 また、基準値を上回り、上昇傾向にある場合はどこかのプロセスで効率の良い仕事の仕方をしている可能性があり、今後そのやり方を標準化すれば 定常的に生産性の良い業務運営になります(改善仮説検証のためのツール)。したがって、一言でいえば「計測なきところに改善なし」となり、 生産性を把握していないと時代の変化に対応する改善が進んでいきません。

 これらの問題点を抱えることにより、間接部門の生産性は低くならざるを得ないのです。

2.間接部門の生産性向上について

 1項で間接部門の生産性が低い3大原因を述べましたが、生産性向上のためには、これらに対策を施せば良いことになります。

「知的職人たち」の対策

 知的職人たちの特徴は「何をやっているかが見えない」「仕事の進め方、進捗、内容が見えない」のですから、対策はそれらを「見える化」することです。

「見える化」の本質とは

 ここで少しだけ、「見える化」の本質について触れておきましょう。
 「見える化」は資料をきれいに掲示すればよいというものではありません。

 見える化はなぜ必要なのか ⇒ 問題を早く見つけて、早く解決行動を起こすため 

 さらに
 視覚は人間にとって行動を起こすトリガーとなる最も重要な入口でもあるのです。
 さて、対策としての「見える化」についてですが以下にその手順を示します。

 (1) 業務プロセスを誰の目にも見えるようにします。
 (2) 最も効率の良いプロセスを作り上げて標準化します。
 (3) 案件ごとにプロセス作成を徹底します。
 (4) プロセスを時系列で可視化します。
 (5) (本人以外の)第三者による進捗管理(P→D→C→A)を徹底します。

【事例】 見える化による営業プロセスマネジメント

 上記事例の場合、可視化された最適営業プロセスをそのプロセス毎にチェックし、計画した成果を出すために必要な修正を常に加え続けることです(接点管理)。 また、上図1~3の管理ポイントを常に意識した組織的業務運営を図ることが重要です。

以上が「知的職人たち」の対策です。
次回は「知的生産のボトルネック」についてお話しします。

以上

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<<執 筆>> 株式会社テクノ経営総合研究所  南野 嘉也

総合機械メーカーにて幾多の動力伝達装置の企画・開発・設計に従事。さらに品質保証・製品検査およびISOなどの外国規格にも精通する多機能エンジニアとして幾多のプラント関連プロジェクトに参画する。その後、技術部門の管理者として業務のシステム化、生産性向上に取り組み成果をあげるかたわら多くのエンジニアを育成した。その後、テクノ経営総合研究所のコンサルタントとなり、現在に至る。

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