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間接業務改革の勘所(4)

1.間接部門の生産性向上について

前回までに、「間接部門の生産性向上について」の「普遍的3大問題点」

 (1)知的職人たち
 (2)知的生産のボトルネック
 (3)生産性計測の習慣の欠如

の(2)までお話ししました。今回は(3)の生産性計測の習慣の欠如についてお話しします。

2.「生産性計測の習慣の欠如」について

 今までお話ししてきたように、間接業務は直接業務に比べて仕事の進め方、進捗、内容等が他者に見えないために、生産性の計測など考えてもいない企業が多くあります。
 しかし、間接業務の特性を明確にし、内容を見えるようにすることによって、間接業務も業務生産性を論じることが可能になります。
 生産性指標は 価値創出プロセスの機能の高さ、具合の良さをあらわすモノサシ と言えます。
もっと具体的に言うと・・・

プロセス内の問題点発見のためのツール
  いつも生産性を見ることによって、生産性が落ちた場合、工程内の問題発生を感知し、すぐに対応策を打てる。

プロセス内の問題点発見のためのツール
  生産性が上がった原因を捉えることによって、その方法の水平展開、標準化による生産性維持、
  向上の手段にできる。

したがって、生産性を逐次知ること、言い換えると継続的計測によってのみ、現状の問題点を把握し、より良い状態へ改革、改善することが可能になるわけです。
見えない間接業務だからこそなおさらです。

3.生産性指標設定の考え方

 生産性指標については普遍的に 出来高 ÷ 総投入工数 と定義できます。
そのなかで間接部門の生産性で問題になるのは「出来高」をどう決めるかです。
従来から、ここを決めるのが難しく、間接部門の生産性は定義、計測が難しいと既成概念化 されてきました。ここでは以下のように簡単な考え方で指標化することを考えましょう。

 【1】アウトプットと創出プロセスの明確化と区分

 【2】アウトプット区分ごとの評価定義
   (1) 経済価値基準 ・・・ スループット、期間キャッシュフロー など
   (2) 生産コスト基準 ・・・ 標準時間(ST) など

 【3】アウトプット/プロセス/評価定義 の組合せ の 標準モデル化

 【4】標準モデルの指標化

もう少し、具体的に設計・開発業務で例示すると下表のようになります。

 勘所は「大胆に決める」ことです。
 受注生産では客先仕様によって様々な場合があり、簡単に区分できないと言われますが、 まずは大雑把に上表のように区分けしてしまえば良いのです。
 この過程では知的職人たち特有のくせが障害になりがちですが、ここで色々なケースを 全て当てはめようとすると議論が前へ進みません。

 上表の「 工数(時間) = コスト 」、すなわち「 標準工数=出来高 」と読み替えることで間接業務の出来高が決まります。 「出来高」が決まれば、直接業務の場合と何ら変わりはありません。
 こうして、間接業務の生産性は下式のように定義できます。

4.間接部門改革の6つのポイント

 さて、4回にわたって「間接部門改革の勘所」をお話してきましたが、最後に間接部門改革のポイントをまとめておきましょう。

1.トップがリーダーシップをもってやりきること

トップの姿勢が「コンサルタントに任せたのでよろしく」では成功しません。迅速な意思決定を行い、必ず成功させるという気概が必要です。

2.期間を限定し、短期間(6ヶ月以内)で一気にやり遂げること

あまり時間をかけることは得策ではなく、短期に全力を集中して活動することによって実行メンバーが疲弊することを防ぐ必要があります。

3.少人化した後の活人先が決まっていること ⇒ 改革後の組織図が描けていること

活動のゴールが明確になっていることでモチベーションの維持、向上が図れるうえ、少人化、活人化の本質の理解が進みます。

4.仕事を攻めて、人を責めない

属人的業務意識が強いほど個人の責任に帰着する傾向がありますが、“改革のターゲットは仕事”であることを常に意識し、低生産性の原因は企業、組織にあることを認識する必要があります。

5.「業務の棚卸し」が成否のカギ!

「業務の棚卸し」はやっている仕事を全て洗い出すことです。一般的な組織の機能業務だけを挙げて満足していては現状を正しく把握したことになりません。効率阻害業務が 全て列挙されていることが改革の成否を分けます。

6.上司と部下の信頼関係が基本

間接部門改革は個々の社員と組織が同時に取り組まないと成果は出ません。上司と部下の信頼関係があってこそ改革を成功に導けるのです。

以上

<<執 筆>> 株式会社テクノ経営総合研究所  南野 嘉也

総合機械メーカーにて幾多の動力伝達装置の企画・開発・設計に従事。さらに品質保証・製品検査およびISOなどの外国規格にも精通する多機能エンジニアとして幾多のプラント関連プロジェクトに参画する。その後、技術部門の管理者として業務のシステム化、生産性向上に取り組み成果をあげるかたわら多くのエンジニアを育成した。その後、テクノ経営総合研究所のコンサルタントとなり、現在に至る。

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