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トップが動かなければ間接部門は変わらない (後編)

 前号の前編では、間接部門の改革を行なうにはトップ自らが動くことが必要であることを述べました。後編では、その改革の具体的な進め方を述べることに致します。


間接部門のあるべき姿を描く

 会社の将来にとって、間接部門はどのようにあるべきでしょうか?
 このあるべき姿を、まずトップ自らが描き、その考えを社員に示し、意見を求めます。上がってきた意見をトップが汲み取り、考えを練り直して、また社員に示します。
 この繰り返しをして、「あるべき姿」をまとめます。
 あるべき姿と現状とのギャップ、これが取り組むべき課題となります。
 ここから、今は出来ていないけれども、将来に向けてやるべき課題が見えてきます。
 「提案型の営業ができるようにしたい」、「品質クレームを徹底してなくしたい」等、会社によって異なりますが、さまざまな課題が浮かび上がってくるでしょう。


活人化のために少人化をする

 人の増員はできませんので、今の間接部門にいる人の中から、優秀な人を抜いて、この課題に取り組めるようにすることを考えます。これを「活人化」と言います。
 しかし、人を抜くためには、今やっている仕事を、より少ない人でもできるようにする必要があります。これが間接部門の「少人化」の改革です。
 将来に向けて会社価値の向上のために、新たなことに取り組むことができる活人化が必要であり、これを実現するために、現状業務をスリムな体制でできるようにする少人化が必要になります。
 この考え方をトップがしっかりと持ち、改革実行の前に、社員によく説明をして、コンセンサスづくりを行なうことが、きわめて重要です。

改革はできるところから始めて、日常業務の中で継続をさせる

 今やっている仕事の問題点を見えるようにすることから始めます。
 問題点が見えてくると、さまざまな「気づき」が生まれます。この気づきを社内の組織で共有をして、改善案を作成して、改善実行に移します。
 この取り組みを、義務とする職場に変え、継続できるようにすることが、トップとしての重要な役割です。社員全員が週に1件以上の問題点を上げること、グループと組織で問題解決にあたること、 週に1回はグループでのミーティングを実施すること、を義務付けるようにします。
 この小さな改善の積上げと並行して、仕事のやり方を大きく変える組織的な取り組みを行ないます。
 間接部門の仕事は、インプット情報にもとづき、それに価値を加えて、会社としての有益なアウトプットに繋げることにあり、そのプロセスを再設計して実行に移すことで、大きな改善や改革が生まれます。  仕事のやり方を変えるのは、組織での上位職が判断をして決定をして、全員がその目的をよく理解して実行することが必要です。
 どんな素晴らしいアイデアでも実行をしなければ成果に結びつきません。
 また、間接業務の場合は、改善により担当者の仕事を楽にすることはできますが、組織や人の配置を変えるようなマネジメントがなければ、経営効果を生み出すことができません。

危機感が改革を加速し、壁を乗り越えることで人は成長する

 トップは間接部門の仕事が今のままで、何もしなかったら、会社は将来どのような状態になってしまうのかを、自ら考え、社員に示す必要があります。
 トップが危機感を持てば、下もそれに追従するようになります。
 リーマンショックで巨額の最終赤字に転落した会社が、速やかな業績回復ができたのは、全社員で危機感を共有できたことにあります。
 また、自律的に改革を進める企業になるためには、社員自らが常に課題を見つけ出し、解決する職場をつくる必要があります。
 社員全員が改革をすることは義務として考え、目的と目標を持って、挑戦し続ける職場環境にすることが重要です。社員はこの中でさまざまな問題や壁にぶつかることになりますが、 トップが暖かく支援をしてあげることで、それを乗り越えることができ、社員を大きく成長させることができます。

 間接部門の改革はトップが強い意思を持ち、人材を集中し、変革を義務とする職場に変えることです。この条件が揃えば、後は、改革を愚直にやりきることです。
 「できるまでやり続ければ必ず成功する」のが、間接部門の改革です。

<<執 筆>> 株式会社テクノ経営総合研究所  米山 昶夫

大手電機メーカーにおいて、研究開発から会社経営までの幅広い経験を積み、現職に至る。各企業における様々な経営課題の解決支援で多くの実績を上げる。全社的視点での経営品質向上支援では高い評価を受けている。

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