ASAP2012vol_1

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特集2Feature Articles減らしたいけど、…「在庫を可能な限り減らしたい」。長年あらゆる製造業企業様において取組んでおられる共通課題と言っていいでしょう。しかしながら、いざ実際にやろうとすると、「総論賛成....

特集2Feature Articles減らしたいけど、…「在庫を可能な限り減らしたい」。長年あらゆる製造業企業様において取組んでおられる共通課題と言っていいでしょう。しかしながら、いざ実際にやろうとすると、「総論賛成」「各論反対」になるケースが殆どです。この主たる要因としては、関連部門の多さ(部門それぞれの立場)、どこまで減らすべきかがわからない、と言ったことが挙げられます。そこで今回は、より実践的な観点から在庫を“上手くコントロールして結果的に減らす”ための基本的な考え方・進め方を紹介します。活動の基本大きくは次の2つで、これらを混同せずに別ものとして切り分けて活動することです。(図1)(1)日常管理の強化:日常業務の中で異常を見つける在庫を持つ“モノ・場所・時期・量の基準”を決め、この基準と実際の差異=異常(問題)と捉えて、如何にしてこの異常を早期発見できるか、そして対策に向けた動きが掛けられるかを追求します。これは余り期間を要さずとも、やろうと思えばすぐにでも始められることです。在庫を“コントロール”する!★日常業務の中で異常を見つける「しくみ」をつくるいつ時期どこに置き場所もの(2)在庫を持つ条件の変更1.活動の基本どれだけ量在庫を持つ「もの」を決める置き場所を決める基準値を決める在庫基準値を考慮した生産・調達を行う在庫実績を把握する基準との差異を分析~問題対策見直し製造・運搬ロットサイズ、各種リードタイムなどの在庫管理上の制約条件を変えていきます。関係部門が多岐に亘り、社外調整や場合によっては設備や情報シ条件を変える★在庫管理上の制約条件を変える(例)リードタイム短縮運搬・製造・調達ロットの小口化製造アイテムの集約ステム投資も必要となりますので、これは対象を絞り込みながら、時間を掛けてじっくり取り組みます。陥りやすい3つの落とし穴(1)減らそう、減らそう、と思いすぎる「在庫を減らす」ことそのものを否定しているのではありません。「在庫をコントロールする」ことに注力すべきであり、その結果として以前よりも減っていることを重要視すべきです。すなわち、1関係者間で合意形成された在庫計画どおりにモノを動かし、2自分たちで決めた基準在庫数どおりに推移させる、3そのための「しくみづくり」を追求することです。また、基準数どおりでなくとも、今月はA製品の拡販戦略として基準の3割増の在庫数を月末時点で持つ、と決めたなら持てばいいのです。注意すべきことは、3割増の分は通常の在庫とは別枠で数量推移を見ておくことと、各部門が勝手に(関係者間合意無く)2割増、4割増と言ったような変更を行わないようにすることです。(2)適正という表現に惑わされるよく「わが社の適正在庫を教えてください」と言われます。そもそも何をもって適正とするのか?、大きくは、市場・製品特性、製造・販売の実力により変わってきます。忘れがちなのは、後者の「自分たちの製造・販売の実力」です。理論上の適正在庫は幾らでも計算できますが、目指すべきは、机上算出した値を参考にしながらも、今の現品管理レベル(現場での表示、現物と情報の一致)、部材の買い方、出荷の仕方、保管スペース、計画サイクルなどをしっかり認識した上で、在庫計画を立てて、計画どおりに推移するよう調達・製造の増減を実行させることに尽きます。(3)教科書を信用しすぎる前記に関連し、「適正在庫や基準在庫の計算方法」と言ったタイトルの書籍や解説書をよく見かけます。そのほとんどが直感的に理解し辛い計算式です。教科書5 ASAP