ASAP2012vol_3 page 10/12
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コンサルタントの日記中小企業のネットワークが未来を変える町工場から宇宙へ、深海へSNSをフル活用、技術交流と相互支援今、町工場が集まって進めるプロジェクトが熱い。有名なところでは、東大阪市の人工衛星「ま....
コンサルタントの日記中小企業のネットワークが未来を変える町工場から宇宙へ、深海へSNSをフル活用、技術交流と相互支援今、町工場が集まって進めるプロジェクトが熱い。有名なところでは、東大阪市の人工衛星「まいど1号」があった。2002年の不況下に職人集団が立ち上げた東大阪宇宙開発協会。2009年1月にはJAXAの種子島宇宙センターから人工衛星打ち上げた。「まいど1号」の成功で宇宙技術に関する受注増につながったという同協会。次のミッションとして、今年、人型宇宙ロボットの開発を発表した。実に奇抜なアイデア。しかし、ロボット技術は日本のお家芸、ぜひ実現していただきたく思う。浪華が宇宙なら江戸は深海と、東京では、深海探査の「江戸っ子1号開発プロジェクト」が始まった。町工場4社が集まって、8,000メートルの日本海溝を目指す、深海探査シャトルの共同開発を進めていく。「江戸っ子1号プロジェクト推進委員会」は、杉野ゴム化学工業所の杉野行雄社長が委員長を務め、浜野製作所、ツクモ電子工業、パール技研がそれぞれの得意分野である、ゴム・通信・充電・撮影技術などで知恵を絞る。「小さな町工場でも、力を結集すればイノベーションが実現できる」という杉野社長。海洋研究開発機構(JAMSTEC)、芝浦工業大学、東京海洋大学などの支援を受けながら未知の世界に挑む。しかし、高額な開発費用、1,000気圧に耐える高度な防水技術等の壁に阻まれ、一度はくじけそうになったという。しかし、実際の探査機を見学した際、海外メーカーの部品が多く使われていることに腹を立て、逆に挑戦意欲が湧き起こったという。探査機は球状で母船から分離し、自力で海底を航行、ハイビジョン撮影や標本の採集を行う。現在まで、脊椎動物は7,700メートルまでしか撮影されたことがない。成功すれば同機がその世界記録を塗り替えることになる。8,000メートルの深海にはどんな生物がいるのだろうか。深海には鉱物資源やレアメタル(希少金属)が埋蔵されているはず。しかし、わが国の周辺海域における深海探査はほとんど行われていない。ここでも「江戸っ子1号」開発の意義は大きい。ソーシャルネットワークを活かして、異業種交流や新たな企画にチャレンジする事例もある。今年の2月に横浜で行われた「第1回・全日本製造業コマ大戦」では、開催に向けたお互いの情報交換の場としてFacebookが有効に使われた。お互いの技術力を競い合うイベントとしてスタートした喧嘩ゴマ大会。競技台の外に出るか停止すると負け、2連勝で勝ち、勝者は相手のコマを貰える、という単純なルール。しかしながら、参加者のコマづくりにかける情熱は半端なものではない。材質・形状・設計精度のアイデア追究、高度な技術と技能が火花を散らせた。主催者は、「技は心と共にあり」を合言葉に神奈川県で活動している「心技隊」。当初、4社の町工場からスタートした同団体、現在まで数々の企画に緒戦してきた。今回の大会でも、製作中の写真や動画をFacebookにアップ、対戦内容をYOU TUBEで紹介するなど、外部に向けた積極的なPRを行っている。また、災害時にSNSを活用して助け合ったのが、茨城県日立市のひたち立志塾だ。若手経営者を対象とした同会では、今年3月に開催された会合の中で喧嘩ゴマの茨城場所を開催。町工場は日本のものづくりを支える縁の下の力持ち。中小企業のネットワークが日本の未来を明るくする。(C)JAXA9 ASAP