ASAP2012vol_3

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セミナーダイジェストSeminarDigesコスト競争に勝つ製造業の条件進化する市場要求激化する競争環境の中、顧客からの要求水準は年々高度化しています。昨今では、技術部門が頭を抱えるような高い精度の製品要求も珍し....

セミナーダイジェストSeminarDigesコスト競争に勝つ製造業の条件進化する市場要求激化する競争環境の中、顧客からの要求水準は年々高度化しています。昨今では、技術部門が頭を抱えるような高い精度の製品要求も珍しくはありません。しかし、市場や顧客側の変化に比べ、社員の意識は遅れ気味になっている場合が多いようです。あらゆる企業で、予想外の顧客要求に苦慮する傾向が見られます。例えば、技術水準が追いつかず返品が続く、顧客からの提案による新しい工法に適合できる技術が不足しているといった事例です。人も技術も年々進歩するというのは大きな間違いです。最近の技術開発の速度は人間の進化を遥かに凌駕しています。そして、気がつけば「こんなにギャップが…」と変化の速さに驚くことになります。営業マンの立場でも「こんなコストで現場が動いてくれるのか」というほど厳しいコスト水準になっているのが現実です。そこで「わが社には変革が必要だ」というスローガンが叫ばれるのですが、環境の小さな変化に気づかず、対応を怠ってきたのであれば問題です。状況の変化に対して、あとから改革が必要だったというのでは遅すぎます。「環境変化に追従するのではなく、我が社が環境を作っていく」これくらいでないと安心はできません。ものづくりコンセプトの改革を通じて、変化対応や市場創造の力を強化することが必要なのです。自社のコスト課題に集中するドラッカーは「最大のコストに集中する」と述べています。激化するコスト競争に打ち勝つには、自社経営の制約条件となる外部・内部要因の正しい認識が必要になります。正確な現状把握により、コスト改革のテーマも自ずと明らかになるからです。制約条件とは事業展開のウィークポイントとなる要素です。市場動向の変化などの外部環境に対し、自社の内部環境におけるウィークポイントをどう改革するかが課題となります。そのためには、自社におけるコストバランスの妥当性を検討することが必要です。ある企業で、ABC分析を使って業務のコスト計算を行いました。その結果、会議・ミーティングにかかるコスト6万円/回、クレーム・エラー処理900円/回、営業マンの異動9,000円/回、電話受け400円/回、受注処理200円/回といった概算コストが把握できました。ここで注目すべきは、企業利益に直結する受注処理コストが一番安く、その他の付随コストが圧倒的に高いことです。コストバランスを適正化5 ASAP