ASAP2012vol_4

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特集2日本の原点東北からものづくりを考えるものづくりチームのつくり方はじめに2011年3月11日午後2時46分に東北三陸沖を震源とする巨大地震が東北・関東を襲いました。地震だけでなく、大津波と原発事故....

特集2日本の原点東北からものづくりを考えるものづくりチームのつくり方はじめに2011年3月11日午後2時46分に東北三陸沖を震源とする巨大地震が東北・関東を襲いました。地震だけでなく、大津波と原発事故を伴ったもので、「東北の工場が被災し、基幹部品が作れなくなってしまったことにより、世界中で自動車や家電などあらゆるものが作れなくなった」そういう状態が世界中で起きました。東北の製造業がいかに世界の経済にとって重要な位置を占めていたかが、図らずも明らになった出来事でした。当日私は、岩手県でコンサルティング活動をしており、交通手段が寸断され、自宅のある山形に帰宅したのは3日後でした。帰宅するバスの中で、家屋倒壊や新幹線架橋の崩落などの惨状を見て、復興するのに何年かかるのかと悲痛な思いを持ったことを思い出します。しかしながら、震災から1年以上たち、少しずつではありますが回復のきざしが見えてきました。反面、物静かで自分から意見を言わない、保守的で閉鎖的な面も持ち合わせていることも事実です。ものづくりの観点で見ると、80年代までの「少品種大量生産」では、ひとつのものを、こつこつと実直に作り続け、少しずつ改善を積み重ねる東北人の気質が当時のものづくりのトレンドにマッチしていたと思われます。しかし、消費者の嗜好も変わり、「多品種少量変量生産」や生産の海外シフトなどの変化にうまく対応できなくなってきています。しかしながら決してすべての企業が出来ないわけではありません。東北の企業が変化に対応している事例をたくさん見ています。東北人は、始動は遅いかもしれませんが、一旦腹に落ちれば、行動に向けて非常に大きなパワーを粘り強くかけていきます。東北人気質と東北の企業を通して成功するものづくりチームとは何かを考えてみたいと思います。チームづくり(成功の循環)で考えるものづくりと東北人気質今回の震災において、援助物資や飲料水をもらうのに取り合いもなく、黙々と配給の列にならび、物品の略奪もほとんど起きないことなど被災者の我慢強さや粘り強さに、欧米だけでなく中国からも賞賛の声が上がりました。本来日本人が持ち合わせた美徳を脈々と受け継いだ東北人の美点が現れた結果だと思います。マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は、人間関係の質が高まると、会話や対話を通じてアイディアが生まれ、それに伴って行動の質が高まり、結果の質につながるという「組織の成功循環モデル」を発表しています。東北の人は寡黙です。いかにして発言させるか、引きだすか。発言しやすい場を作ってあげるかが重要になります。具体的には、発言しやすいように、アイスブレイク※を入れ、場を和ませたり、ポストイットに意見をひとりひとり書いてもらい、グ5 ASAP