ASAP2012vol_5

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コンサルタントの日記太陽光に期待をかけるメガソーラー発電所日本の発電所には、原子力、火力、地熱、水力などがある。他にも風力や波力発電などの方法もあるがあまり一般的ではない。原子力発電を2030年までに150....

コンサルタントの日記太陽光に期待をかけるメガソーラー発電所日本の発電所には、原子力、火力、地熱、水力などがある。他にも風力や波力発電などの方法もあるがあまり一般的ではない。原子力発電を2030年までに150%に増やすという国家方針も、原発事故で抜本的な見直しを迫られた。そこで代替電源として期待を集めるのが再生エネルギーの有効活用だ。その具体的な方策として注目を浴びるのがメガソーラー発電所である。太陽光こそ、空気や水を汚さないクリーンエネルギー。メガソーラー発電所とは巨大な太陽光発電施設のことだ。その出力は1メガワット(1000キロワット)以上。太陽光発電といえば、家庭の屋根に設置されている太陽光パネルが連想されるが、メガソーラーはその名前の通りパネルの大きさや数が桁違いである。そのため発電所の建設には広い土地が必要だ。「ゴビ砂漠にメガソーラー発電所を作ればいい」と提案したのは、ソフトバンクの孫正義氏だが、広さの点では砂漠という環境は申し分ないスペースを提供してくれる。理論的にはサハラ砂漠をメガソーラー化すれば世界中の電力を供給できるという。しかし、送電ロスを防止する技術やインフラ整備には大きな課題があると思われる。電力買取制度の改正一般家庭向けの余剰電力買取制度が始まったのは、2009年11月のことだった。当時、太陽光発電キャンペーンでやってきた営業マンと話をしたが、設置費用の回収までには相当な年数が必要だと実感した記憶がある。しかし、太陽光パネルを付けた家屋は少しずつ増え、また街の店舗などでも徐々に見かけるようになってきた。経済産業省は、今年を「再生可能エネルギー元年」と位置付けている。本制度も同省が所轄するものだが、この7月から余剰電力買取制度を固定価格買取制度に変更した。これは電力会社に対して、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、バイオマス等)で発電された電力を一定の金額で買取ることを義務づけたものだ。そして、太陽光発電の買取金額は1キロワット当たり42円と高めに設定されている(ちなみに風力発電は約20円、地熱発電は約26円)。新規参入の拡大現在、国内には建設中を含め、約80ヵ所のメガソーラー発電所があるが、同制度を含む規制緩和の流れを受けて、国内ではメガソーラー事業進出の機運が高まっている。太陽光パネルのシャープ、京セラなどだけでなく、IT、電機、ガス、商社など、異業種参入の動きが出てきた。また地方自治体による補助金制度や民間企業との協働による発電事業の計画も増えている。兵庫県淡路市と洲本市は共に淡路島にある都市である。瀬戸内海に浮かぶ淡路島の年間日照時間は全国でもトップレベル。また、広大な未使用地が存在している。そこに約60ヘクタールのメガソーラー発電所の建設構想が持ち上がったのだ。人口減や経済低迷にある地元にとって明るい話題ではあるのだが、その経済効果が地元にどの程度還元されるのかが課題である。そのため民間からメガソーラー事業に投資でき利益の配当を受けるファンド創設も検討されているという。こうした地域の動きは今後も全国的に増えてくるだろう。9 ASAP