ASAP2012vol_5 page 3/12
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Corporate Interview柳井紙工株式会社どうしても組織のピラミッド形式の中では、毎日顔は合わすけれども直接話す機会はあるようでないですからね、じかに聴いてもらってうれしかったのではないでしょうか。だから、....
Corporate Interview柳井紙工株式会社どうしても組織のピラミッド形式の中では、毎日顔は合わすけれども直接話す機会はあるようでないですからね、じかに聴いてもらってうれしかったのではないでしょうか。だから、こういったらなんですが、上司ではないから反対に相談しやすかったのでは。平井(担当コンサルタント):今だから言いますが、初めは課長さんから強い抵抗感を感じました。変わったのは1回目の発表会。周囲がすごくやっているので自分たちがやっていないと目立つ。まさにボトムアップで変わってこられたと思います。製造部の改善活動――製造部の活動で主に取組まれたテーマは何でしょうか。三坂:今、工場で一番の課題になって取組んでいるのが多能工化のテーマです。工場の問題としては印刷部門での残業が多い。どうしても印刷の工程で停まってしまう、これを何とか平準化できないか。そこでいわゆる多能工への橋がけとして自ら動こうとしています。入社後、ある課に配属されると、ずっとそこの職人で終わるのではなく、目線を工場の中に広く持つことで、個人的にも一つの活性化になると思います。――印刷工程は切替作業などがたいへんなのでしょうね。三坂:印刷は非常に残業の多い職場です。そこで、1日7時間30分の実労を12時間にする。12時間フルに機械を動かせるようにする、これがテーマです。12時間を定時としてどう動かすか。どうしても残業になりますが、それを時差出勤や交代などによって上手く調整しているところです。それが工場における今期の重要テーマの一つです。平井:私がスタート時に多能工化の話をしたところ、拒絶感があったように思います。ところが改善を積み重ねるうちに、現場からそういった声が自然と出るようになったのです。小さいことも大切だが、それだけでは目標値である生産性30%アップは達成できない、そこでやり始めたものです。それまで社内に多能工化という文化はありませんでした。この文化がない中で動くというところを、私自身も初めて目の当たりにしました。それまでの文化を守りたいという抵抗感、これは切実な問題だと思います。今まで何十年もその機械で仕事をしてきたのですから。ところが隣の機械どころか違う職場に行かなければならない。まるで違う工場で仕事をするというくらいの考えですから。これは皆さ柳井紙工株式会社本社んが相当なカベを一つ越えたといえると思います。――今までの伝統のカベを破っていかれるというのはエネルギーがいることだと思います。多能工化というのは印刷工程だけではないのですね。三坂:そうです。すべての工程が多能工化を行い、連携・連動し、市場変化に対応していかなければならない。このカベを取り払うために結構な苦労をすると思います。この1年、これを経験することで次のステップにいくことができる。平井:皆さん非常に優秀なんですよ。それを今までやっていなかっただけで。潜在能力はすごくあると思います。毎月開催される成果発表会――活動の効果測定等はどのようにされていますか。三坂:当社では、毎月10日に発表会を開催しています。発表会では全チームに発表してもらいますが、発表する人を毎回変えるようにしています。その理由は発表慣れしていない人が発言する場合、とても緊張していると思うのですね。しゃべるのが苦手な人は大変だと思う。そのことを彼らはプレッシャーに感じながらも変わっていかなければならない、というところに達成感を感じているのではないかと思います。――毎月、成果発表の機会が与えられているとは素晴らしいことですね。三坂:発表を聴いていると、「こいつ、すごいこと言うな」と思うこともしばしばです。月1回という頻度が成長を促しているのかもしれません。平井:VPMのスタンダードでは、成果発表会は半年に1回なのですが、柳井紙工様では毎月発表会を開催されています。それでもちゃんと活動についてこられていますからすごいです。ASAP 2