ASAP2012vol_5 page 6/12
このページは ASAP2012vol_5 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
特集22軸評価による工場全体俯瞰1ワークサンプリングの活用工場全体の作業状態を簡単に把握する方法として、ワークサンプリングという手法があります。これは観測者が、各作業者が何をしているかを瞬間的に判断・記....
特集22軸評価による工場全体俯瞰1ワークサンプリングの活用工場全体の作業状態を簡単に把握する方法として、ワークサンプリングという手法があります。これは観測者が、各作業者が何をしているかを瞬間的に判断・記録し、その作業項目の割合を価値作業、付帯作業、ムダ作業にまとめるものです。付帯作業とムダ作業はロス作業として一くくりに分類します。価値作業とは、顧客が要求している事を満たすために行う作業、ロス作業とは、顧客は要求していないが、社内の都合で実施している作業です。例えば検査作業は、顧客がその品質を要求しているため、価値作業になります。一方準備作業は、必要な作業ではあるが、社内の都合で実施している事なので、ロス作業に分類されます。そのようにして分類した各作業の比率をまとめて、ロス作業の中でどの作業項目の比率が高いのか、あるいはどういう作業傾向であるのかを見極め、改善の優先順を決めていくのに活用します。2ワークサンプリングの問題点と解決法ただ、このワークサンプリングには1つ問題点があります。それは、各作業者の作業ペースが反映されていないという事です。これは、ゆっくり作業をすればする程、価値作業としてカウントされる瞬間が多くなるので、価値作業比率が高くなる、という現象につながります。つまり、ワークサンプリングだけでは、工場あるいは現場全体の現状を現すのには不十分であると言う事になります。そこで、レーティングという手法が必要になります。従来のワークサンプリングで得られたデータに、レーティングで得られたデータを追加・補足します。価値作業、付帯作業、ムダ作業に、レーティングから得られたロスを追加する事により、作業ペースによるロスを見えるようにします。これにより、より高い精度で工場、現場の状態を把握する事ができ、より実情に合わせた改善の実施を進める事が可能になります。ワークサンプリング3高い↑価値作業比率↓低い2軸評価人的稼働率価値領域遅い←ロス領域作業ペース→速いペースレーティングベースロス・・・手待ちレーティング実施のポイント価値作業清掃運搬準備レーティングには連続観測法(平準法)と瞬間観測法(ペースレーティング)がありますが、ここでは瞬間観測法(ペースレーティング)としてレーティングを用います。ワークサンプリングと同様、観測者がそれぞれの作業者を見た瞬間にペースを判断する事が必要とされるので、観測者は最初に目合わせを行います。目合わせは「トランプを30秒で配る速さ」つまり手が動く基準として、このペースを100とします。これを基準にそれより早ければ120、それより遅ければ80、この3段階で評価します。これで目合わせを行うため、観測中は手の動く速さ、また単純作業である「取る・置く」だけを見てペースを判断します。単純5 ASAP