ASAP2012vol_5

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作業である理由は2つあります。1つ目は単純作業でなければ目が動いている可能性があるという事です。検査作業や狙いを定めている作業などは目が主で動いているため、手のペースは参考になりません。2つ目として、....

作業である理由は2つあります。1つ目は単純作業でなければ目が動いている可能性があるという事です。検査作業や狙いを定めている作業などは目が主で動いているため、手のペースは参考になりません。2つ目として、機械・器具を使用している作業も正しくペースを判断できません。溶接のトーチを持っている、ドリルで穴あけをしている、などです。機械・器具のスピードに手の作業が律速されているので、正しい手のペースを測る事ができません。できます。ペースを遅くしている要因は何か?これを明確にする事で、改善の方向性を定める事が必要です。ここで1点注意しなくてはいけない事があります。レーティングによるロスとワークサンプリングのムダ作業中の手待ちはトレードオフの関係にあるという事です。手待ちが発生する原因の1つとして、現状での与えられている仕事が少ない、という事が挙げられます。上述しましたが、ゆっくり仕事をしても間に合う、だからゆっくり仕事をして、作業ペースが遅くな4レーティング結果の活用る、結果レーティングによるロスが大きくなります。逆に、ペースが速いとその分手待ちが増えるといく事ペースを下げる要因として、まずやりにくい作業にも考えられます。なっていないか確認する必要があります。ムダな動作はペースを下げるので、ムダを排除する事が必要です。5おわりに次に、作業・モノの流れが悪い、あるいは絶対的に仕事量が少ない事が考えられます。仕事量に合わせて急がなくても間に合う事が問題なので、生産計画を見直す事が必要になります。合わせて、設備を使う際にはそのスピードに制約されている場合が多いので、設備スピードに合わせて仕事をせざるを得ない場合があります。設備と人の作業バランスが取れているかを確認する事が必要です。それ以外にも、暑い・寒い・暗い・狭いなどの作業環境が適切ではない、作業の習熟度が十分ではない、などのペース低下要因を考える事が今後改善を進めていくのに、もぐら叩き式に改善を積み上げていく、というやり方では人も時間も到底足りません。何が一番の問題で、どこに手を入れないといけないのか、それによりどの程度の効果を見込む事ができるのかという、全体を簡単に把握する技術が必要です。そのために、ワークサンプリングとそれを補うレーティング(ペースレーティング)は非常に有効です。限られた資源を有効に活かすために、全体を簡単に把握する技術として活用してみてはいかがでしょうか?作業の分類分類定義要素作業価値領域価値作業製品の価値形成に寄与、あるいは付随する作業(顧客要求)1加工・組立・仕上2梱包・包装3ワーク取付・取外4原料投入・製品払出5寸法・外観検査6ブロー・洗浄・拭取りロス領域付帯作業ムダ作業主作業を行うために必要な準備作業(社内都合)管理上の問題により発生する無くしたい作業(管理不備)7運搬8準備・片付け9記録・資料確認10治工具取付・取外11点検・手入れ12清掃13空歩行14モノ探し15不良選別・手直し16機械・治工具修理17相談・電話18手待ち・監視株式会社テクノ経営総合研究所西日本カンパニーマネジメントコンサルタントわしみともひろ鷲見智大PROFILE大学卒業後、産業機械メーカーに入社。入社後は、営業、設計を経て、製造技術を担当。生産技術・生産管理に関わり、リードタイムの短縮や生産性の向上に貢献。また工場・現場の改善活動にも従事し、現場発のものづくり改善を率先。その経験を基にコンサルタントに従事し、企業に応じた生産性向上のための改善活動を推進している。ASAP6