ASAP2013vol_2

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特集1企業インタビューCORPORATE INTERVIEWCMK CORPORATION(THAILAND)CO.,LTD.Company Profitable Project~不良率の削減と意識改革で利益創出、高い技術力と品質を追求!~――本日はよろしくお願いいたします。まず、貴社の概況についてお伺いいたします。山口:当社はプリント配線板の製造販売を事業展開する電子部品メーカーです。工場はタイ国プラチンブリ県304工業団地に位置しており、また、バンコク市内に営業所を設けております。会社設立は2006年、翌年7月操業を開始いたしました。今後の拡張を予定して、工場敷地は125,000m2を確保しており、現在は90,000m2を使用している状況です。当社の従業員数は1196名で、うち日本人は22名です。また、工場の生産規模はプリント配線板の面積換算で約70,000m2/月という状況になっています。工場は、両面基板からビルドアップ基板まで幅広く生産対応できる能力を持っており、さらにフィルドビア設備の増強を進めております。軽く、薄く、短くすることが求められる基板業界において、本年導入したラインでは銅メッキ設備を導入、高度な技術の追究により、更なる基板の微小化、細線化にも挑戦しております。――VPM活動ご導入の経緯として、その背景にはどのような工場の課題をお持ちでしたか。山口:当社では、設立から3年経過した時点で不良率が下がらないという悩みを抱えていました。そして、その理由として一番大きいのが人の問題、つまりローカル従業員のスキルや意識の問題でした。不良率削減のためには、ロ-カル従業員の人材育成によるスキルアップと意識活性化をはかる必要性があります。そこで、テクノ経営総合研究所による工場診断を受け、VPM活動を導入することにしたのです。――ありがとうございます。確かにローカル従業員の活性化は非常に重要なテーマだと思います。貴社における活動の概要をお聞かせください。山口:当社では、2011年の初頭より、製造部と品質部を対象部門として活動を開始しました。そして、現在は2期目の活動に入っている状況です。初年度の活動は、重要課題である不良率の削減をテーマに「品質改善プロジェクト」(QIP)(2011年3月~2012年2月)を展開しました。不良撲滅の体制づくりとローカル従業員自身の意識改革がねらいです。活動目標は、定量目標として不良率半減、定性目標としてローカル従業員の人材育成としました。第1期の活動成果としては、不良削減率をほぼ達成したことです。また、定性的には、ローカルスタッフの意識が非常に高くなり、組織の壁を越えて一丸となった協力体制の風土ができたということが上げられます。そして、現在は第2期活動「利益創造プロジェクト」(2013年3月~)に取組んでいます。特に今回は、ローカルスタッフが中心となって自主的な展開をしています。1年間の全社活動による彼ら自身の成長の賜物だと感じています。2期目は歩留まり10%向上を目標に進めていますが、11月現在(9か月経過)で約40%の達成率となっています――今回の活動に対し、特に評価できる点は何でしょうか。山口:活動レベルが向上し、現場が活性化した点は非常に満足しています。しかし、一方で「コア技術の取り組みに対し深堀できていない」「主要メンバーが抜けた後のフォローができていない」などの数々の課題が残されているのも事実です。また、現場サイドでは対応できない設備の課題などもあります。コア技術である銅メッキ技術もまだ改善の余地があります。さらなるローカル人材の育成が望まれるところです。――やはり人材育成が最も重要な経営課題ということでしょうか。山口:今、タイでは労働力確保が一番の問題とされています。この国で事業展開していくためには少人化が1 ASAP