ASAP2013vol_4

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工場お悩み相談在庫はなぜ増えるか在庫が増える理由としては、適正在庫に関する部門間の情報共有化ができていないことが一つの要因と考えられます。例えば、「在庫には余裕が必要だ」という営業サイドの意見があります。せっかくの受注機会を逃さないためにも在庫には余裕が必要だというわけです。一方、購買部門では低コストでの調達を考えるあまり、安い材料や部品を大量に購入する結果になりがちです。また製造部門では、段取り替えを避けるため一度にまとめて造る、製造リードタイム長期化で在庫が滞留する、設備トラブルによる出荷遅れを想定して増産する、品質不良で余分な在庫が溜まるなどの問題を抱えています。適正在庫を知るためには在庫の見える化が必要です。在庫の仕組みを理解することにより、無計画な在庫増に歯止めをかけることが必要です。在庫を減らす発想から・積極的に持つ・せっきょくてきにコントロール(管理)する発想へ適正な在庫維持には5S活動が有効です。進め方としては、まず、棚卸調査により帳簿と在庫(材料、仕掛品、製品)を確認します。帳簿と実数が合わない場合は、保管場所が一定していない、台帳記入ルールが不明確、受入時に現品確認ができていない等の問題が潜んでいることがわかります。次に各在庫を見える化、必要在庫と不要在庫・廃棄在庫に分類します。必要在庫は、材料、部品、製品別、顧客別などの基準で整理・整頓、棚番号(列・段)を付けて保管場所を確定、在庫システムと連動させて在庫管理を進めます。また不要在庫および廃棄在庫については売却・廃棄などの削減計画を立て実行します。このようにして部門間の課題解決と連動させた適正在庫の維持を進めていきます。図25S活動による在庫コントロールSTEP 1現品管理STEP 2在庫の見える化(ABC分析)STEP 3出荷量による適正在庫量設定の仕組み構築※棚卸調査=帳簿価区分数量材料3,000部品2,500仕掛品1,500製品500必要在庫不要在庫廃棄在庫適正在庫の管理整理・整頓+定位・定品・定量目標値の設定→削減計画(目標在庫)保管、削減計画→売却・廃棄(長期在庫、陳腐化・劣化)P R O F I L E株式会社テクノ経営総合研究所ブレーン国際カンパニーマネージャーマネジメントコンサルタントせきぐち関口いさむ勇大手電器メーカーにて、生産部門(製造・資材・技術・生産管理等)に長く携わり、その間に、コストダウン、生産性向上、経営システムの変革など、多分野に亘り歴任し、収益の確保に貢献してきた。その後、現職に就き、収益改善の実現など実践コンサルティングを幅広く展開。ASAP 8