ASAP2013vol_5

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――はじめにコンサルティングを導入された背景をお伺いします。杉村:私は今年の1月からこちらの責任者として赴任しました。部門責任者であった頃から、工場を変える根幹は現場力の強化だと感じてローカル社員の教育を進めてきました。課長クラスから現場に浸透させる方針で教育を実施していたのですが、トップダウン方式の教育では今一つ現場との壁が崩せないという悩みを感じていました。そんなとき、「現場改善のプロ集団であるテクノ経営」のことを知り、個人的に関心を持ったのがはじまりです。それがコンサルティングを導入した経緯です。――テクノ経営を選ばれた理由は何でしょうか。杉村:やはりコンサルタントのお話を伺ったことですね。各国の文化や事情に精通していること、ボトムの意識を変えて現場力を向上させる方法論、そして海外での成功事例などをお聞きし、これなら我々が抱えている問題や悩みにお力添え頂けると実感したからです。―― 今回の活動目的はどのようなものですか。杉村:改善・改革を成功させるにはトップ自らが明確な意志を示すことが必要と言われます。また、コンサルタントからも会社の方向性と連動して目標を挙げる重要性をお聞きしました。そこで少し大げさですが、活動に先駆けて、企業理念および行動指針・活動指針を構想し直すことから開始しました。そして、活動目的として品質と生産性の二項目を設定し、活動スローガンとして「FAZ昇龍200」を掲げて推進しています。―― 推進体制についてお聞きします。杉村:二つの製造部門を対象に、それぞれ品質と生産性をテーマ活動として進めることにしました。推進体制としては各部門に品質改善チーム、生産改革チームを作って、それぞれの目標に向かって対応しています。当社では活動の呼び方として、品質は改善、生産性には改革という使い分けをしています。その理由は、コツコツ積み重ねながら問題クリアしていくのが改善、古河奇宏電子(蘇州)有限公司CORPORATE INTERVIEW特集1 企業インタビュー現場力強化― 品質改善と生産性改革をめざして 古河奇宏電子(蘇州)有限公司は、古河電気工業株式会社サーマル・電子部品事業部門と世界有数のCPUクーラーメーカであるASIAVITAL COMPONENT'S CO.,LTD.(台湾)との共同出資で設立された。 同社が位置する歴史の都、蘇州市は中国ビジネスの拠点である上海にも近く、東に琵琶湖の三倍以上の面積を誇る太湖、北には揚子江と水に囲まれた水郷地帯であり、東洋のベニスとも呼ばれる美しい町として知られている。 CPU冷却用のヒートシンクの一貫生産で世界的な評価を得ている同社では、創業当初より部品の現地調達に着手し、評価技術や管理技術等の現地インフラ整備を進めてきた。活動を開始して半年、ローカル社員改革による現場力強化についてお伺いした。古河奇宏電子(蘇州)有限公司総経理 杉村 政信 氏改善と改革で現場力強化を目指す1 ASAP