ASAP2013vol_5

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我々が活動を進めた場合、短期間は継続できても後が続かず、それが維持できないところが課題でした。しかし、それが根付くような状況が進んでいますので今後への期待を含めてよかったと思っています。―― 活動の苦労話があればお話ください。杉村:これまでも工場を良くするための改善活動は当然続けてきました。しかし、今回の活動では新しいスキルやテクニックを血となり肉とすることを目指してやっている状況です。定期的に訪問するコンサルタントに対して、前回に受けた宿題を何とかこなす努力が大きな力になっているように思います。最初は材料や設備の配置が乱雑で、また人は大勢いますし、工場内がごちゃごちゃして端から端まではまるで見えない状況でした。しかし、活動が進むなかで改善リーダーの強い意志もあってラインレイアウトの変更、モノの置き場の削減、動線の短縮化などを進めることにしました。ところが、当初それを達成するためには相当な苦労が必要でした。生産を行いながらのライン変更なので、土日のライン停止時にローカルスタッフ全員をかき集めてラインを変更する必要があったのです。相当な苦労でやり遂げた改善ですので充実感もありました。目に見えるように改善がなされていますが、あのときは、涙が出るほど大変だったと改善リーダーは言っていました。いまではちょっとした笑い話になっていて、非常にありがたい話です。―― 現在の活動成果についてはいかがですか。杉村:今は活動を開始して半年なので、まだ道半ばという状況で、もう少し継続してやっていく必要があるかなという感じです。当初の計画からずれることはあっても、ただそのずれをいかに修正して目標を達成するかが大事だと思っています。それを常に頭に入れて、最後はみんながハッピーで終れるように目標達成新たな条件を取り込んでいくのが改革という意味合いを持たせるためです。特に生産改革は、今までのような単なる数量改善の展開ではなく、さらにもう一歩進んだ大きな目標にチャレンジしていきたい。そして、そのためには改善というよりも改革という言葉の方がしっくりくると思ったからです。そのことを現場のみなさんにも理解してもらうためにも改善と改革という使い分けをしています。――活動目標はどのように設定されておられますか。杉村:目標というかスローガンですが、この一年という期間ではなく、二~三年先まで見据えたものとして設定しました。そのスローガンには200という数字が入っているのですが、生産性については200%を。また、削減すべき不良については、200の2を分母に持ってきて、二分の一(50%減)という高みを目指しています。また、定性的な目標として、ボトムアップと現場力のアップを狙っています。当社では小組長と呼ぶ現場作業の直接管理者、それらのボトムが自発的に改善を進めていく。そして、改善のサイクルをどんどん回して、現場に行ったら状況が見える環境を作りたいと思います。実際の活動(作業)としても見えるし、掲示物としても見えるという形が最終目標です。―― 活動に対する社員のみなさんの反応はいかがですか。杉村:現在の駐在員は、来て間もない人もいますが、多くは出張ベースで長く関わっていた人で、社員とは良くも悪くも気心の知れた仲間です。ただ、今回の活動ではコンサルティングの導入ということで、明らかにローカルメンバーの現場を観る眼、やる気が変わってきました。自らができることを提案する姿勢や知識やスキルを貪欲に吸収したい意欲が感じられるようになりました。彼らの意識に火をつけて、活発な活動ができるようになってきましたので、ぜひこれを継続していきたい。への道標企業価値を高める改善ローカルスタッフ全員で取り組んだライン変更ローカル社員のボトムアップで意識改革を継続ASAP 2