ASAP2013vol_5

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「中国ビジネス成功の秘訣」ビジネス対談上海清環環保科技有限公司(STECO)総経理 江頭 利将 氏小西:本日は環境や省エネに関心が低かった中国でビジネスを立ち上げ、順調に業績を伸ばされたご経験についてお伺いしたく思います。まず上海に進出された動機をお聞きかせください。江頭:当社は2005年に設備のメンテナンスを行う中国としては初めての「技術サービス」企業として上海に進出しました。そして、現在では華東で唯一の日系独資の技術サービス会社として、省エネルギーコンサルティングおよび総合エンジニアリングを事業展開しています。おかげ様で現在の取引先は日系企業が主で約130社あります。このうち一部上場企業も約50社程度に増えてきました。小西:御社が取り組まれているEMC事業とは何ですか。江頭:EMCとは、日本でESCO事業と呼ばれているサービスです。中国語では「合同能源管理」といい、能源とはエネルギーのことで、顧客のエネルギー使用状況を調査・分析し、改善プランや設備導入・保守管理などをはかるサービス全般を指します。具体的には、顧客企業の水道光熱費やCO2削減に関するアドバイスを行い、実現したコストダウン実績から一定額を報酬としていただくというものです。小西:中国といえば今年の冬から春にかけての大気汚染物資PM2.5が記憶に新しく、その深刻な環境汚染の対策に中国政府も巨額の予算を投じる計画を打ち出しているようです。そういったなかで省エネビジネスに期待されるものは何でしょうか。江頭:これは省エネビジネスも含めた感想なのですが、最近の中国ではサービスに対する関心が高まっていると感じています。もともと中国では形のないサービスにお金を払うという意識が希薄で接客態度も非常に悪く、また顧客の方でもサービスに対して求めるレベルが低かったことも事実です。ところが社会の発展で物質面が満たされると、今度は精神的な充足を求めるようになってきます。つまり量から質を求める傾向が強くなってきたわけです。さらに、この環境汚染の問題が顕在化し、これではいけないという社会的雰囲気が高くなったことで、省エネ・環境改善の「サービス」が持つ価値に気づいたと言うことでしょう。政府も単なる奨励ではなく、義務化することを発表しています。小西:中国ビジネスでは人間関係が非常に重要だといいます。そういった点でエピソードがありましたらお聞かせください。中国ビジネス成功の秘訣上海で省エネビジネスを展開 中国進出を志す企業は多いが失敗するケースも後を絶たない。その理由は中国社会に潜む考え方に足並みを合わせられないからである。そこでは日本の常識はまったく通用しない。 中国政府が推進する合同能源管理(EMC:Energy Management Contracting)とは省エネ対策を支援する契約のことだ。中国でEMC事業者の認定を受けるには政府機関の厳正な審査をパスする必要がある。外国資本として昨年度パスしたのは日本・ドイツ・アメリカの企業のみだ。そして、日系独資で初めて許認可を受けたのが上海清環環保科技有限公司(セイカン総合エンジニアリング)である。 上海清環環保科技有限公司(STECO)は中国政府の認証を受けた華東で初の日系企業である。環境や省エネに関心が低かった中国でビジネスを立ち上げ、順調に業績を伸ばしている。総経理の江頭氏に中国ビジネス成功の秘訣を訊いた。ASAP 4