ASAP2013vol_6

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ASAP2013vol_6

 近年、クリーンルーム設備の低価格化が進み、また一般消費者からの厳しい品質要求に応える目的で非常に広範囲な企業にクリーンルームが導入されております。しかし形式的にクリーンルームを導入したにすぎず、真の意味でクリーンルームという特殊な作業空間を有効的に活用し、品質向上・生産性向上を実現し経営成果に結び付けられている企業は少ないのが実体です。 クリーンルームとはその名の通り「清浄な部屋」です。清浄空気による押出し効果と希釈効果を用いて必要な清浄度を実現しており、図1,図2のように設計思想によって空気性状が大きく異なります。この空気性状を加味して作業方法などを決めているか否かがクリーンルーム内で製造している製品の品質を大きく左右いたします。つまりクリーンルームは管理状態によって製品の品質が大きく左右される特殊な作業空間だと言えます。管理監督者の手腕によって品質レベルが大きく変化する作業空間だとも言えます。 2項で前述したように空気性状を加味した作業管理が出来ているか否かが重要なポイントです。その為にはクリーンルーム内の空気性状を正しく把握することが大切です。空気性状を把握するための手段としてミスト発生装置や3次元風速計などが販売されておりますが、ドライアイスやビニール紐でも空気性状は把握できます。 本項では3次元風速計を用いた乱流式クリーンルームの空気性状測定結果を例に説明させていただきます。図3の空気性状は「AからBに向かった緩やかな流れ」「BからCに向かった急激な上昇気流」「CからDに向かった素早い流れ」が確認できます。また床面に設置されているグレーチング(空気排出口)はほぼ機能していないことや、中央の広範囲な部分に空気の流れが無く、淀み箇所が存在していることも確認できます。 この結果からA地点が空気性状の最上流であり、D地点が最下流であることが分かります。この空気性状を加味した設備レイアウトや作業者・製品などの動線を設計することがポイントです。クリーンルームを正しく使えていますか?フィルターフィルター設備グレーチング(空気排出口)天井床B AC D空気性状測定結果(乱流式クリーンルーム)乱流式クリーンルーム(ボールルーム)層流式クリーンルーム(ダウンフロー)清浄空気による押出し効果清浄空気による希釈効果1 はじめに3 クリーンルームの管理ポイント2 クリーンルームとは図1図3図2技術レポート設備7 ASAP