ASAP2014vol_1 page 13/16
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概要:
ASAP2014vol_1
の職場全体のレイアウトとの関係でそこを通る材料の流れ、機械設備の配列順序、向き、通路や建屋との関係など、全体的な構造を決める基本レイアウトが機械設備や作業域についての詳細レイアウトに先行します。 しかしその反面、レイアウト改善は図2のように全体として1つの階層構造になっているので、個々のレベルで区切って次々と降りているという進め方はできません。下位レベルのレイアウトがある程度固まらないと上位のレイアウトも確定できないからです。すなわち上位レベルの配置が大略決まったところで下位レベルの配置に取り掛かり、その基本構想がまとまったら上位のものに戻ってこれを確定するという順序で、上位レベルから下位レベルへと降りていくものです。 レイアウト改善に必要な知識は、実はほとんどがIE手法です。IE手法は、人・資材・機械設備・エネルギーの要素を統合化し、もっとも経済的な作業システムを設計、改善する技術です。仕事の方法と時間を分析し、仕事を効率化し、レイアウト改善を含めた改善に役立てることができます。 そして、レイアウト改善のステップは、現状把握から効果確認まで一貫して同じ手法を使い、レイアウト案ごとに数値化して、現状の制約条件の中でベストと判断できるまで繰り返し実施するだけなのです。(図3) 各手法の具体的なやり方は、書籍が多数でていますので、そちらを参考にして頂きたいと思います。 製造現場で毎日継続して発生するお金は、1回1回を見ると安いように見え、逆に一時的に発生する費用は、1回が高いので損のように思いがちです。しかし、製造現場で継続して発生するムダなお金を、例えば1年分まとめると驚くほど高額になることが多いものです。レイアウト改善のために必要な一時的な投資金額が高いと感じて、改善せずにムダを放置すると、結果として大きく損をする場合が少なくありません。感覚や直感でものを決めずに、数値化することは全ての改善において、大事な点です。 図3で紹介したレイアウト改善に必要なIE手法は、そのほとんどを数値で表します。すなわち意思決定に必要な要件を備えているのです。 さらに失敗しないためには、採算性を計算する必要がありますが、複数のレイアウト改善案から選択する場合は、2つの原則で考えれば良く、参考にされて下さい。(図4) これまでレイアウト改善について述べてきましたが、実はゴールまでのステップと手法さえ理解してしまえば、そんなに難しい改善ではないということです。 身近なところから部分的に改善すれば、自信も付いてきますので、是非トライしてみては如何でしょうか。4 レイアウト改善に必要な手法とステップ6 最後に5 意思決定のためには「数値化」大手電子部品メーカーにて、装置設計、新商品開発、製造管理、設備管理、海外技術支援などの業務に従事し、『モノづくり』の現場に様々な角度から携わってきた。その間には、プロジェクトリーダーとして、生産性向上、仕掛削減、不良率低減など、数多くのテーマに参画、手掛けた。その経験を基に、コンサルタントに転じ、現場実践主義で、改善力向上、生産性向上、リードタイム短縮などの収益率向上活動を推進・支援している。PROFILE株式会社テクノ経営総合研究所 西日本カンパニー 本部長 マネジメントコンサルタント中川 勝之なか がわ かつ ゆき目 的手法(ツール)現状のレイアウトを調査する人の動線距離を調査し、表にまとめる人の動線距離を調査し、図にまとめるモノの流れを調査し、フロー図にまとめるモノの移動し易さを調査し、表にまとめる生産スペースを調査し、表にまとめる運搬経路上の運び難さを調査する遵守項目、改善目標値を整理する人・モノの最短動線レイアウトを検討する基本要件表を達成できているか確認する人・モノの最短動線レイアウトを検討する基本要件表を達成できているか確認するエクセルレイアウト図フロムツーチャート相互関連図運搬工程分析運搬活性分析スペース効率分析経路チェック分析基本要件表エクセルレイアウト図フロムツーチャート相互関連図運搬工程分析運搬活性分析スペース効率分析経路チェック分析エクセルレイアウト図フロムツーチャート相互関連図運搬工程分析運搬活性分析スペース効率分析経路チェック分析現状 把握目標設定ステップ№123456789101112対策検討(新工場)↓(既存工場)設置・移動効果確認(既存工場)↓(新工場)図3 レイアウト改善の手法とステップ図4 意志決定の原則原則1:変わる所だけを考える原則2:これから発生するお金だけを計算するASAP 12