ASAP2014vol_1

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株式会社 安川電機CORPORATE INTERVIEW特集1 企業インタビュー2年間継続した気づき活動の結果(2011.9~2013.9)③対策実施メモを最上段へ①気づきメモを下段へ張る②対策可能なメモを中段へ■気づき件数:10,700件 ■気づき改善実施件数:4,104件気づき活動用:気づきボード――人材育成に関する活動の取り組みにおける重点ポイントは。末光:ラインを変えるためには、その前にまず人材をつくることが重要。当社では作業者にスピード感がないという課題もあり、当たり前でやっている作業だが「本当にそれでいいのか」というところに気づいてもらえる活動。そういう人材を育てたいという思いがありました。具体的には、作業者のマインド部分を強化する“気づき活動”と生産技術に関する“ものづくり勉強会”を開催しました。この勉強会は活動の2年間で改善技術者を養成することを目的に、基本的な生産レベルの知識を習得するものでした。――“気づき活動”は参加者にたいへん好評だったとお聞きしていますが。末光:コンサルタントの中川さんからの提案もあり、気づき活動を導入することにしたのですが、確かに非常に効果的な活動であったと思います。“気づき活動”は何でも気づいたことをメモの形で提案するものですが、いきなり対策を求めるのではなく、先ず身の周りの問題に気づくことによりセンシティブな発見力を高めることを目的としています。気づき活動は「問題だけを出す」そしてその「対策はみんなで考える」という、そこを切り分けて実施してきたことが一番浸透しやすかったポイントだったと思います。“気づき活動”は毎週行って、成果発表会を月1回実施していきました。発表会では全体に各チームが自分たちの活動内容をお披露目して、相互に意見交換ができる場としました。発表された活動には「こうしたほうがいいのではないか」と参加メンバーがコメントを述べ、「自分たちもどんどん展開しよう」という風にどんどんマネを始める流れが生まれてきました。藤原:人間というものは思いついてもすぐに忘れるものなので、すぐにメモを取ることが大切。何でも「気づいたこと」「考えたこと」「こうしたいと思ったこと」はすぐメモする習慣を身に着けたいものです。後でやろうと思っても、そのうちに忘れてしまうことが多いのです。思いついたことをすぐメモする躾といいますか、仕組みづくりが大切です。今まで思っていたが表に出なかったアイデアが集まる“気づき活動”は誰も想定もしなかった効果が出てくる可能性もある活動だと思います。そのあたりは私も見ていて評価すべきところだと感じています。―― セル作業における改善事例についてお伺いします。末光:セル作業の改善はMTM(メソッド・タイム設定法)により動作時間を算出して比較評価。各工程において治工具が最適配置されたセル作業台を自分たちで設計しました。その結果、移動距離が短縮され、不必要な動作やムリな動作がなくなりました。中川:セル作業台を導入するにあたっては、どんなにスタッフが理想的だという案を考えても完成度は七割位しかない。作業者の方がそれをベースに「あれやこれや」と好きにアレンジして完成度を高めていくということが重要です。実際にいろいろ工夫して「これはここに置いた方がよい」という風に皆さんが自ら改善して使いやすいベストなセル作業台が完成しましたね。 CH A NG E 3 自ら改善を行うものづくりのプロへ―人を変える。『意識改革』・ 活動内容①気づき活動の継続   ②発表会の実施③成果報告会の実施  *ものづくり勉強会の実施活動3作業者のマインドを向上させる“気づき活動”魅せる職場を構築できる“改善技術者”の育成7 ASAP