ASAP2014vol_2

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 “京都試作ネット”の志(こころざし) 京都試作ネットは、2001年7月17日、祇園祭のクライマックスである山鉾巡行の日に立上げられた任意団体です。しかし、単なる企業連携や共同受注という考え方では片づけられないようなグループだと思っています。 全国各地で行政主導による共同受注が盛んですが、失敗するケースも多いとお聞きします。そんな中、どうして13年目を迎えて成功し続けられているのかというご質問をよくいただくようになりました。 そのご質問に対して「私たちには志があるからです」と申し上げています。他の皆さんに志がないといえば嘘になりますが、利害関係だけの結びつきでは、時間の経過とともに求心力を失って自然消滅してしまう場合が多いと思うのです。 中小零細企業が集まって大企業ではできないことをやってやろう。そのために「学びのシステム」でグループを結び付ける。また、一社ではできないことをお互いでシェアして、いろいろやってみる。私は京都試作ネットを実験場「エクスペリメント」と呼んでいます。 それはドラッカー勉強会からはじまった 京都試作ネットの原点は、機青連(京都機械金属中小企業青年連絡会)にあります。その会で1992年からピ-タードラッカーの勉強会が始められました。当時、「このままでは京都のものづくりは持たない」という危機感から、経営の根幹であるドラッカーの勉強会を行うことになったわけです。 マーケティングとイノベーションという企業経営の基本を学び、顧客創造の重要性とその実践方法について論議を重ね、インターネットを活用した新たな顧客創造の仕組みづくりを模索していきました。そして、京都府などからの支援も受け、試作加工に特化した“京都試作ネット”を立ち上げることになりました。 ドラッカーからの学びをベースにして、何かビジネスをしていこうと。ドラッカーマネジメントを具現化する方法として立ち上げられたのが“京都試作ネット”です。最初は勉強会の仲間10社からスタートしましたが、いまでは100社を超える体制まで成長しました。また、2006年には京都の大手企業26社からご支援いただき、活動を下支えする運営会社である「京都試作センター株式会社」を設立しています。 日本のものづくりは独自の技術を持った中小企業が支えている。そして、各社の強みを活かした業務連携や新しいビジネスにチャレンジする企業が増えている。 そして、「京都試作ネット(http://www.kyoto-shisaku.com)」も各社の強みを活かしてビジネス創出に取り組んだ成功事例だ。「顧客の思いを素早く形に変える」をコンセプトに、試作・開発に特化したソリューション提供を行っている。 京都から世界に“SHISAKU”ビジネスを発信する。その原点は学びの場から生まれた強い志にあるという。高度医療やロボット技術など、先端分野の開発支援でも社会的な評価が高い同会。その成功の秘訣を、京都試作ネット代表、株式会社クロスエフェクト代表取締役 竹田 正俊氏に伺った。京都試作ネットの挑戦ものづくり企業探訪記京都試作ネットドラッカーマネジメントで「予期せぬ成功」を追いかける京都試作ネット代表理事株式会社クロスエフェクト代表取締役 竹田 正俊 氏7 ASAP