ブックタイトルASAP2014vol_3

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概要

ASAP2014vol_3

――はじめにフィリピン工場の状況についてお伺いします。後藤:現在、改革に取り組んでいるBTPは、かつての東京特殊電線株式会社フィリピン工場で、私自身も工場長として赴任していた時期があります。工場の従業員数は約1400名、女性が大半を占めており、業務的にも女性の方に働いてもらいやすい職場です。 工場は24時間操業の昼夜交代制ですが、フィリピンに限らず東南アジアでは女性がよく働きます。ただ、スーパーバイザーなどのマネジメントクラスは圧倒的に男性が多く、女性登用も試みたことがありますが家庭を持っている等の事情で長続きする人は少ないようです。 フィリピン国内では、近年になって外資系企業の工場が急増してきました。以前、中国がものづくり拠点として注目された頃には、フィリピンから中国への移転が増えた時期もありましたが、そんな企業も中国のリスクを考えてフィリピンに戻るケースが最近見られます。昨年(2013年)のフィリピンはASEAN諸国で最も高い経済成長を遂げ、新しくフィリピンに進出する日本企業も目立つようになりました。我々が工場を置く工業団地もほとんど満杯になり、物流面における道路事情も10年前と比べてかなり改善されてきました。―― コンサルティングを導入された経緯をお伺いします。後藤:BTPでは、東京特殊電線株式会社の時代にトヨタ生産方式を導入したことがあります。ご指導いただいたコンサルタントは東京特殊電線株式会社を退職されたOBの方です。その当時は私も工場長として現地に赴任しており、いろいろと勉強させていただきました。ただトップダウン的なアプローチであったため、コンサルタントが不在になると活動自体も停滞するという有様でした。 かつてハードディスク事業が花形産業であった頃には、品質を維持しながら生産量を増やすことが最大のプライオリティとされていました。しかし業界をとりまく環境の変化に伴って重視すべき項目も変ります。パソコンがタブレット端末になり、情報の記憶媒体もメモリに移行するにつれ、ハードディスクに求められる要求も変化します。ところが数年ぶりにフィリピンの工場を訪れて感じたことは「以前の生産体制と何も変わっていない」という印象でした。また、工場内の物流経路が異常に長く複雑化していることや、ローカ合同会社ベルトン・トウトク・テクノロジーCORPORATE INTERVIEW特集1 企業インタビュー アクチュエーターアセンブリで世界シェア40%を占有――香港に本社を置くベルトングループは、IT・医療・自動車・家電産業など、幅広い分野で使われる精密部品の受託製造を展開する国際企業である。 合同会社ベルトン・トウトク・テクノロジーは、ベルトングループ(Belton Storage Solution Limited)と東京特殊電線株式会社により2012年、新潟県柏崎市に設立された企業。東京特殊電線株式会社のハードディスクドライブ用コイル加工事業を引き継ぎ、製品開発・設計・試作事業を展開、ベルトングループの日本拠点として国内企業との橋渡しをしながら、海外連携でものづくりを進めている。 アクチュエーターブロックの生産は、海外にある7つのグループ企業(中国4、タイ2、フィリピン1)が担当。そのなかで現在、企業改革と取り組んでいるのがBeltonTotoku Philippines,Inc.(以下、BTP)である。近年、日系企業の進出も増えてきた成長地域であるフィリピン。BTPの全従業員で進める企業改革について取材した。全員参加のものづくり改革BeltonTotoku Philippines,Inc.における現場に自主的改善を根付かせたい1 ASAP