ブックタイトルASAP2014vol_4

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概要

ASAP2014vol_4

な課題などはいかがでしょうか。社長:当時、工場は二つの課題を抱えていました。その一つは、平成18年に新設されたHACCP対応の先鋭的な工場設備が上手く機能していなかったことです。まず基本的な整理・整頓が出来ておらず、食品安全対策の運用ルールにもレベルアップが必要な状況でした。設備的には安全を十分に担保する設計になっていたとしても、運用する側の管理がしっかりできていなければ本末転倒です。食の安全に対する消費者の関心が高まるなかで、まずここを強化したいと思いました。 もう一つの課題は、各ラインの理論的な生産能力と実際出来高とのギャップです。その数値は決して満足できるレベルではなく、抜本的な生産効率の向上が必要だと感じていました。 テクノ経営の工場診断を通じて、コンサルティング導入を決定したわけですが、やはり当社の活動ではコンサルタントの影響力が大きかったと思います。組織による向き不向きやコンサルタントとの相性という問題もあります。しかし、もしこの人とだったらといえるようなコンサルタントと出合えたのなら、継続的な取り組みをしたほうが良いと思っています。菅原:私自身も設備の生産スピードやライン生産性の低さに問題を感じていました。市場競争に打ち勝つには、他社に負けない改善の努力が必要です。いま思えば、コンサルティングの導入は生産効率化に対するテコ入れの良い機会になったと思います。――活動の対象部門、名称、目標、期間等についてお話しください。菅原:2012年7月より、埼玉工場の生産部門において「T-UP活動」をスタートしました。ちなみに「T-UP活動」の名称は髙岡屋のTを頭文字にしたものです。 当社の主幹工場として、工数管理に関する認識や社長が話されていたような安心安全に対するきちんとした取り組みに対して活動を進めてきました。 活動目標は、18名の活人化(生産効率化)と設備トラブルゼロを定量目標とし、活動を通じての人材育成を定性目標としました。そして、活動からまる2年が経過した現在では連名の活動として「T-UPⅡ」を全社に拡大中です。また、本社でも「ACP14(アクションプラン2014)」活動を推進しています。順次並行して、これらの活動を郡山工場や上海髙岡屋などの海外拠点にも拡げております。――活動の導入効果はいかがでしょうか。菅原:まず目標に対しては、定量的には139%の達成率でした。例えば、包装機ラインでは1ライン5名の作業が3名で出来るように改善され、結果的に18名の目標に対し25名の活人化に成功しました。 また、各工程部分の見直しで時間単位の生産性も向上しています。一日の生産量の管理目標を定め、各ラインに競わせることで従業員のモチベーションも上がり、日々の生産目標を概ねクリアできるようになりました。社長:整理・整頓の習慣化も評価できるポイントです。使ったら必ずもとに戻す、開けたら必ず閉めるなど、一つひとつは至極単純なことですが継続させることは大変難しいものです。しかし、当社では定置管理が現場で徹底されるようになったことで作業の効率化が大きく前進しました。また余分なモノが減ったことで有効スペースが拡大し、倉庫代などの経費も削減されました。また衛生安全の観点からも持ち込み禁止の徹底など、基本的なルールの尊守意識が高まりました。菅原:従業員の意識変化により、物事に対処するスピードも上がり、日々の不満やネックを直ちに解消する習慣づけができました。今まで気付かなかった問題発見の感性も磨かれてきたと感じます。社長:2S活動(整理・整頓)では、倉庫内のモノを全部出して、いるモノといらないモノに分類して、不要なモノはその場で捨てる。それを完結するまでやり切ったことが印象的でした。また、生産ラインの改善でもサイクルタイムによる論理的・理想的な数値の算出を従業員とのコンセンサスを得ながら進められることができてよかったと思います。への道標企業価値を高める改善「T-UP活動」による活人化推進ASAP 2