ブックタイトルASAP2014vol_4

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概要

ASAP2014vol_4

菅原:サイクルタイムの導入による意識づけは非常に有効であったと思います。理論的な数値をパートさんにもご理解いただき、「できないと最初は思っていたが出来るようになった」という声を聴くと、活動を推進できてよかったと感じています。――活動におけるトピックスとして苦労話などがございましたら。社長:活動を通じて、主体的に物事に取り組む人とそうでない人が明確になってきました。活動は腰を据えてやることが大切で、その場しのぎの行動では長続きしません。普段からの準備が出来ていないと、必ずそこで停滞してしまいます。積極的なメンバーをいかに増やして行くか、それが活動で苦労したところではないでしょうか。 これは工場における「T-UP活動」だけではなくて、本社における「ACP14」や郡山工場、中国の工場での活動を進めていけば出てくる問題だと思います。そこが一つの良い意味での活動の評価基準になってくるのではと思います。しかし、とにかく積極的に関わってもらうようにするための持って行き方、これが大事だなと感じています。菅原:そうですね。私自身も活動を通じて、全体のベクトル合わせが成果の達成に大きく影響することを学びました。またモチベーションのコントロールや各メンバーの足並みを揃えるといった点が苦労したところです。――活動に対する満足度や評価できる点などがありましたら。社長:まず、短期間で定量的な効果が出たので導入してよかったと感じています。反対に2S(整理・整頓)定着には意外と時間がかかりました。しかし、これは粘り強く継続するしかなく、ある程度の期間を決めてやるしかないと思います。 また活動を通じて、他部門の業務に対する配慮が見られるようになったことはとても評価できると思います。お互いに連携して仕事を進めていく感覚が芽生えてきました。今後はその意識が海外拠点にも広がっていくことを期待しています。菅原:食の安全が叫ばれるなか、品質や衛生管理に対する心構えが重要視されています。今までは他社の事例に学びながらステップアップを心がける局面が多々ありました。そういう姿勢はいまも変わらないにしても、現時点では生産性がアップして、次のステップを積極的に考えられる余裕が生まれてきました。当社では、職場のチーム意識が強く、他部門との調整が難しい傾向がありましたが、工場がひとつの形でまとまり、同じ職場に属しているという意識で取り組めるようになってきました。先日もゴールデンウィークに稼働中の業務用ラインに、通常だと応援に入ったことのない他チームのメンバーが率先して入ってくれたので非常に助かりました。そういう意味では工場としてのベクトルが定まってきたと感じますね。――今後の活動およびビジョンについて社長:当社では、業界第一位のコンビニエンスストア様や回転寿司店様とお取引いただいていますので、商品開発のスピードと実力に磨きをかけて、お客様のご期待を上回るような品質を実現したいと思います。 海苔の需要が世界的な高まりを見せる一方、国内の海苔生産は不作傾向が続いており、減作の傾向は止まらない状況です。それに応えるべく、海外生産における抜本的な品質改善を強化すべきであり、それが当社の使命だと感じています。 当社では中国や韓国における海苔養殖や地場産業化と深くかかわってきました。中国については、文化大革命をはさんで、日中国交正常化以前の1969年から、先代の会長が海外に出向いて交渉を続けていました。その成果がいまの業績に反映されています。 今後は海外市場においても改善活動の循環により圧倒的な生産性の高さを追究していきたいと考えています。 当社では海外拠点の現地化を進めており、上海髙岡屋の工場には日本人の駐在員はおらず、工場長以下すべて現地の人材に運営を一任しています。生産だけでなく財務や営業なども現地化しているのですが、しか株式会社髙岡屋CORPORATE INTERVIEW特集1 企業インタビュー3 ASAP