ブックタイトルASAP2014vol_4
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ASAP2014vol_4
数年前、ある電子部材メーカー(A社)の専務さんとお話する機会がありました。 中国や韓国そしてアメリカなどに生産拠点を移し、国内はお客様の要求水準が高い製品を造るマザー工場だけになっている。そして海外生産では利益が上がっているが、多品種少量生産が主流の国内工場では利益が圧迫されている。社内で推進する改善活動も期待する成果が出ず、抜本的な打開策を模索されているとのことでした。 それがきっかけで工場診断をさせていただき、もう3年以上になりますが、現在もコンサルタントとしてお付き合いさせていただいております。 国内生産で勝ち抜くための鍵は品質とローコスト生産体質の追究にあります。今回はA社の事例を中心に生産体質を改革する“活人化プロジェクト”についてお話いたします。 A社は日本でもトップクラスの製品開発力を誇る企業です。ところが工場を拝見した結果、コスト的な対策が不十分であることがわかりました。国内では関東にマザー工場を設置され、開発から生産、営業までの一貫体制を築かれていますが、多品種少量で品質・コスト水準の厳しい国内生産では利益の出にくい構造になっていたのです。顧客である機械、自動車メーカーからの厳しい品質・コスト・納期等の要請。そして、高い精度が要求される条件下、クレームの発生もしばしばです。全社的なムダ・ロス削減によりコストと品質を両立させていかなければ非常に厳しい状況になっていました。専務や社長はこの非常事態をいかに乗り切っていくか。それに頭を悩まされているのですが、内部で改革をしようにも活動が行き詰っている。現状を打破するシナリオがないというお話でした。 A社からは3年計画での現場改革のプランを求められました。そこで私が提案させていただいたのが“活人化プロジェクト”による3年計画の処方箋です。ちなみに活人化とは、現場改善(少人化)により生まれた余力を全社的な改革に振り向けることです。各部門の精鋭を結集してプロジェクトを編成することで高い成果が期待できます(図1)。大 野 浩 行ある専務さんからのご相談行き詰まる改善活動「そうか、なるほど」キーワードは活人化特集2国内製造業で勝ち残るローコスト・高品質生産体質への改革全社改革は“活人化プロジェクト”で進める省人化ムダ排除経営成果余力(上位者転出)活人化図1 省人化から活人化へ活人先行プラン新しい利益(価値)獲得プロジェクト5 ASAP