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概要

ASAP2015vol_3

 このように熟練を要する工程も機械化で緩和されてきたのですが、アイロンがけなど機械化できない部分もあります。仕事量が増えるほど人手不足の影響が大きい職場ですので、単独工場では効率が悪く、拠点を分散させながら手間取る仕事は別工場に移管する等の工夫をしてきました。 生産性向上のための体制構築については10年ほど前から取り組んできましたが、今回の活動では、若手リーダー育成により競争に打ち勝つ組織作りを進めることにしました。過去にもセミナーや研修会などに社員を参加させていましたが、コンサルティングを導入して全社展開をするのは初の試みでした。各工場や職場単位で切磋琢磨し、能力アップする場をつくる。知識として習うのではなく、実践を通じて成長できる活動にしたいと思いました。活動は今年で5年目に入りましたが、リーダー育成の成果が現れてきたと感じています。企業価値を高める改善への扉―― 最初の活動はどのように始められたのでしょうか樫根:1年目(2005年)は、向日町・西宮工場を対象に活動を開始しました。両工場を同時スタートさせたのはお互いに競わせる意図からです。結果的にもそれが正解だったと感じています。 最初はモデル職場として、仕上げ工程である「タオル場」に各工場にそれぞれ1グループを設けました。当初は午前と午後の半日ずつ栗岡先生(コンサルタント)に京都と兵庫を移動しながら指導していただきました。―― PDCA活動という名称の意味は何でしょうか樫根:どんな活動もPDCAに沿って進めることが基本ではないでしょうか。それを継続しなければ現場は良くなりません。当社のように日々同じ作業を続けていると、新しいことを考える発想力がどうしても弱くなりがちです。まず自分たちでPDCAのP(Plan)を考える力を付ける。トップからフォロワーまで、自律性が必要であると感じました。やらなければということは理解できても、何をどうやるかが難しい。リーダーあるいはマネジメントする立場の人が進んで率先垂範できるように変わっていく必要がある。そういう意味をPDCA活動は持っています。―― 活動目標についてお伺いします樫根:当社では、人時生産性(1人・時間当たりの生産性)向上を目標としてきましたので、全社活動でも、それを定量目標として踏襲しました。そして目標達成に向けた意識改革が定性目標です。 当社の工場は日曜が休みなので、土曜日に週単位の仕上げ数を集計して生産性を見ています。 現在ではデータ蓄積により大勢は読める状況になりましたが、たとえばホテルの場合、宿泊数や使用枚数が事前に把握できず、顧客から戻ってくる量か予測できないリスクがあります。ASAP 2