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概要

ASAP2016vol_3

以来、特に磨きの技術にこだわってきました。長年の経験で培われた職人技能をベテランから若手社員に受け継いでいます。この妥協を許さない姿勢や卓越した「匠の技」が当社の強みであり、オンリーワンとして、どこにも真似ができない高度なものづくりの技術力とスピードを生み出しています。―― WPI活動を始められた背景についてお伺いします。永田:もともとは、テクノ経営のセミナーに参加した事がきっかけです。その後、実際に工場診断をして頂きコンサルティング導入を決めました。以前より社内研修に力を入れる組織風土はあったのですが、一時的な効果はあっても1ヵ月もすれば元に戻ってしまう課題もあり、それならば改善活動に継続して取り組もうと決意しました。長期的な視野に立脚した人材育成が必要であると考えたからです。 ただ初めは、外部の力を借りた改善活動に対するためらいもありました。しかし「とにかく何かやらなければ変わらない」という思いにより導入を決めました。―― 導入を決定づけた要因は何でしょうか。永田:テクノ経営からの提案コンセプトは、次の時代を担う人材を育成しつつ、成果結実させることです。当社のような金型業界は中間層の人材が少ない傾向が見られます。その原因は恐らくバブル崩壊により、製造業から他業種への転職者が多かったからのようです。それで当社でも40歳代後半から50歳前後の人材が少ない状況が見られます。大手企業なら対応できますが、当社のような規模の会社では経営的な視点をもった人材がどうしても不足します。そこを強化していく必要性とテクノ経営からの提案内容がマッチしました。―― 貴社ならではの技能伝承の工夫についてお伺いします。永田:基本的には現場でOJTを進めていますが、最近の特色としては、一人が一つの仕事に集中することが多くなっています。以前であれば、多能工化が主流でしたが、近年、逆に人員が増えてくると一人が一つの工程を専門的に担当するようなスタイルであたっており各自が何か一つプロになる事を目指しています。 現在のところ、新卒採用は年2名程度、但馬地域で就職する高校生は20数名しかいないため地元採用は少数です。また最近は工業高校卒業者でなく、普通科出身者が主流です。 全員が現場でプログラムを作って動かすようにしていますので、一人が抜けても誰かがフォロー出来る仕組みになっています。最近では高度な金型にも対応でき、新しい機械が入っても1~2ヵ月で全員がほぼ処理できる体制になっていますので、全体の能力は高いと思います。企業価値を高める改善への扉左から、永田社長、古田課長、川合コンサルタント人を育てる改善活動の推進ASAP 2