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概要

ASAP2016vol_3

―― 改善活動の成果と苦労した点についてお伺いします。古田:いままで活動に携わった経験がなかったため、改善に対する意識は低かったようです。私自身、経験年数は長い方ですが若いメンバーに対して、いきなり解答を伝えずヒントを与えて考えさせるようにしました。その結果、活動を通じて相談を受ける機会が多くなりました。活動は楽しく、苦しい面もありますが、やってよかったという思いはあります。山田:WPI活動は、いままでの活動とは少し違う形の改善だと感じています。当社では過去にもコンサルティング導入の経緯がありますが、現場実践が欠如していました。だから今回も活動持続を懸念していましたが杞憂に終わりました。実際に取り組んで見るとWPI活動はすでに3年目に入っています。やはり現場実践を中心に進められたことが継続できた理由だと思います。浦野:改善を進めるに当たって、出来るだけ部署を越えてメンバーを巻き込みたいと思っていました。上手く行かない部分もありましたが、社員全員の会社を良くしたいとの思いが活動の推進力になっていました。年配から若手まで力を合わせて進むという感じでしょうか。松上:私も最初は続くかなと思っていましたが、実際にやって見て、この活動なら続けられると思いました。会社の実績も上がり、やってよかったなと感じています。永田:いままでの活動では数字的な目標が曖昧だったようです。日々の活動において、どれだけ成果が上がっているのか。経営的な立場からも目に見える数値的な成果が大切です。自分たちの活動を具体的に表すことで、前年比でどれだけ変わっているのかが明らかになります。設備投資についても成果を予測して提案する習慣がついてきつつあると感じています。そうした広い視点からのものの見方ができるようになったと思います。――改善活動の概要についてお伺いします。永田:当社のWPI活動の開始は2013年1月、3年を過ぎ改善活動も定着してきました。現在も生産効率の向上を目標に全社活動を続けています。 当初の活動方針は「現有の人員と設備で生産量アップを計る」「生産量をキープしながらの残業時間の削減」でした。また問題視されていた納期遅れについても工程改善により取組むこととし、活動目標を生産性30%アップと納期遅れゼロの実現としました。 推進体制は、私がプロジェクトリーダーとなり、専任メンバー(事務局)、営業・技術・購買・生産技術・総務部門が支援メンバーに加わりました。改善チームとしては、旋盤・フライス・研磨・放電・ワイヤー・熱処理・焼バメ・仕上げ等の各チームに推進リーダーを置き、各部門単位で活動を進めました。―― 活動の取組み方についてお聞かせください。永田:生産性については、社内の見積基準から見た標準加工時間と実際時間の差を読み、工程の日常管理に的を絞って改善に取組みました。 納期遅れゼロについては、工程間の問題や工程リードタイム短縮に関するテーマ改善を各部署で実施しました。また工程別の滞留日数を見える化、タイムリーな工程進捗管理により作業目安の把握を計りました。週次チェックで工程進捗の異常に関して「緊急対策」「短期的取組み」「中長期的取組み」の三段階の対策を必要に応じて打てる体制を整えました。また品質不良に対しても、発生場所の特定や要因分類により再発防止の歯止め対策を強化しています。月2回のコンサルタント指導では進捗状況を確認しながら、定期的な活動報告会として幹部層への報告・発表などのイベントを企画しました。そうした部門間の交流で実施項目の確認やフォローアップが効果的に進んだと思います。C O R P O R A T E I N T E R V I 特集1 企業インタビュー E W生産性アップと納期遅れゼロを目指して現場主導で全社展開を継続和田山精機株式会社3 ASAP