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概要

ASAP2016vol_3

 ものづくりの基本は現場にある。あらゆる業界において効率化への取組みにより、製造工程の自動化が進んでいるが、重要な工程における確認チェックは未だ人が関与しているケースが多い。逆に、厳格な要求品質を確保するために、人の技量に頼ったものづくりを追求していることも多いのではないか。製造工程の自動化がどこまで進んでも、ものづくりの原点は人である。 人を中心にあらゆる問題が発生するし、多くの品質問題もあらゆる現場の人が関与しているところで発生している。この点を再認識することが品質改善のスタートであると考える。 多くの品質問題に人が関与していることは先ほど述べた。人が決められたルール通りの作業をすれば問題は発生しないはずである。しかし、品質問題は無くならない。その原因は、“ルールが悪いのか”、“ルールを守れないのか”というルールに関するものと、ルールは守っているが、“異常の発生に気付いていない”という人に起因するものが考えられる。何れの場合でも、人が目の前で起きていることを当たり前と感じるのか、問題と感じるのかで大きく結果が異なることが容易に推察できる。人が問題に気付く感性が知らず知らずのうちに落ちていることが小さな問題の芽を見逃し、品質問題の発生につながる。 実際、上述したように設備の自動化が進み、多くの場合、製品品質に異常があれば設備が検知することで異常品の外部流出を防いでいるが、設備が異常と判断できないものや、異常な信号を出しているが止めるようなルールになっていない場合など、設備だけに頼ることができない領域が多く存在しているのが実態である。その為、品質問題の早期発見、流出防止には、作業者が異常に気付く能力“品質感性”の向上が重要になる。 作業者が異常に気付く回数と実際に品質問題が発生する関係は、安全管理でよく引用されるハインリッヒの法則と同じであると考えている。1つの大きな重大トラブルには、29個の軽微なトラブルがあり、更に潜在的なトラブルが300個存在する。 作業者の品質感性の向上とは、潜在的な300個の品質トラブルに目を向けることである。現状が当たり前であると感じていた作業の中で、「あれ?いいのかな?実はこんなことも起きていた…」など問題として認識できるようになることである。 ハテナ活動は、あらゆる現場で働く人に着目し、品質感性をアップさせることからスタートする。そして活動を成功に導くためには幾つかの重要ポイントがある。そのポイントを次に示す。品質問題はどこで起こる品質問題はなぜ発生する品質感性をアップするハテナ活動の進め方伴  浩 和? 品質改善は品質感性のアップから ?特集2株式会社テクノ経営総合研究所 ブレーンカンパニー 本部長 マネジメントコンサルタント問題に気付く感性の低下 小さな問題の芽の見逃し 品質問題の発生、流出全員で共有する全員で改善する??????????????????????????????????????????????????????ハインリッヒの法則軽微な事故を全力で防いでいれば、重大な事故までは発生しないヒヤリとするような事故を防げば、軽微な事故は発生しない重大な事故ヒヤリとするような事故隠れた問題(気付かない問題の抽出)軽微な事故129300品質ハテナ活動 ~品質問題の解決手法~5 ASAP