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概要

ASAP2016vol_3

 以上の6つのポイントを踏まえ、オモテに出てきた品質問題を各部署のチームで、更には組織横断的に活動を展開していく。 ハテナ活動とほぼ同時に活動を進めるものに品質トラブル再検証活動がある。ハテナ活動はボトムアップ活動である。潜在的な問題を顕在化し、作業者の品質感性を上げることで更に問題を顕在化させ、改善を全社横断的に展開していく。 一方、品質トラブル再検証活動はトップダウン活動である。過去に発生した品質トラブルの再発防止を確実にするため、対策として決められたルールが“守れるルール”になっているのか、“ムリなルール”になっていないか、管理・監督者が中心となり再検証を実施する。 再検証活動は過去の品質トラブルを分析することから始める。再発の有無、トラブルの大きさ(ロス金額の大きさ)から優先順位を決める。 複数の部署でお互いに他職場を再検証することで、新たな問題の発掘や横展開の必要性につながることも多い。 このように、「ハテナ活動」と「品質トラブル再検証活動」を進めることで、品質問題を未然に防ぎ、且つ、過去に発生したトラブルの再発防止を図っていく。 お客様からの要求品質は厳しさを増すばかりである。この要求に向き合い、応え続けていくことが企業価値を高めることにつながっていくものと考える。全員参画のハテナ活動を通して、ものづくり力の更なるステップアップにつなげて頂きたい。 ①全員参画が基本 社員、請負、派遣、パートなど、雇用形態が複雑化している中、品質問題はどこでも発生する可能性がある。社員以外の職場で問題が発生する傾向もあり、全員参画の活動を進める。②管理・監督者が気付けない品質トラブルをオモテに出す 現場で発生している小さなトラブルは問題として顕在化しない限り、日常の中に埋もれていることが多い。品質トラブルとしてオモテに出すことで現場の実態を明らかにする。③現場作業者自身も気付けない品質トラブルをオモテに出す 現場にある多くの“ハテナ”をあぶり出すことで、普段は気付かない当たり前になっている問題を明らかにする。④品質感性を刺激し続ける 一旦、高まった品質感性は徐々に低下するものである。品質感性を刺激し続ける仕組みづくりを進める。⑤組織横断的な活動展開 品質問題は自部署だけでなく、他部署も巻き込まなければ解決できないことも多いため、横串を通した活動ができる体制をつくる。⑥実感できる改善効果、成果を目標にする 活動目標が明確であり、成果を実感できるものでないと活動の推進力が生まれない。品質問題によるロス金額の削減効果など成果を明確にする。鉄鋼メーカーにおいて、品質管理、品質保証、製造ライン管理を担当。試験・分析技術改善、製造プロセス改善、安全・品質向上、能率・作業率・歩留向上、ライン自動化設備導入立ち上げ、工場建設プロジェクトを担当するなど、幅広い分野で貢献。その経験を基にコンサルタントに従事し、現在に至る。PROFILE株式会社テクノ経営総合研究所 ブレーンカンパニー 本部長 マネジメントコンサルタント伴  浩 和ばん    ひろ  かず再発の有無トラブルの大きさ(品質ロスの大きさ)優先順位を決めて、管理・監督者が中心となり活動を牽引守れるルールか?ムリなルールになっていないか?品質トラブル再検証活動ハテナ活動品質感性を刺激し続ける全員参画組織横断的な活動展開実感できる改善効果、成果を目標にする管理・監督者が気付けない品質トラブルをオモテに出す現場作業者自身も気付けない品質トラブルをオモテに出すASAP 6