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概要

ASAP2016vol_4

―― 活動での苦労した点などございましたらお聞かせ下さい。杉山:テクノ経営のコンサルティングを受ける前から当社には「メモ提案制度」がありました。これは現場における「気づき」と「改善案」について記入する様式となっていました。 ところがこの制度は十分に活かされていませんでした。「気づいて」も「どう改善したらいいのかわからない」ということが多く、自然と活動にブレーキがかかったと考えます。 気づきメモ活動では「改善案はみんなで考えるもの」とし、「参加のハードルを下げたこと」「指導会で現場探索を実践し“気づき”を見つけ出すポイントを指導頂いたこと」もあり、活動開始時から提出率は100%になりました。現在でも100%の提出率であり、指導会でコンサルタントから個々の気づきメモに対してコメントやアドバイスをして頂いたり、気づきメモ掲示板にコメントをつけたりすることで、直接本人に伝わるよう心掛けています。 「自分のメモにもしっかり目を通してくれている」とわかると人は変わるものです。「気づいた」問題に対して解決策をみんなで考えるための「問題解決シート」についても自分達が考えた解決策に上長や事務局が積極的にコメントをつけることで、個々の「気づき」に対して、自分達で「問題解決」に取り組むことがうまく循環するようになり、活性化につながったように思います。 テクノ経営のコンサルティングは「何をすればいいのかメンバー全員で考えていきましょう」というのが基本的な姿勢です。「本当にそうなのかな?」半信半疑のまま始めた活動でしたが、自ら問題発見、解決に動くボトムアップの改善活動は達成感があります。改善活動の1年目が終わってコンサルタントからの「(改善活動で仕事が)楽になりましたか」との問いに頷くメンバーも多く、テクノ経営のコンサルティングで次第に活性化し、「やる気に満ちた現場」に変化していく様子が実感できました。潜在化している問題を掘り起こし「気づきを探すこと」に懸命に取り組んだことでメンバーのスキルが一段と向上したように思います。 このような取り組みが定着し、現場が活性化、C改善、D改善につながっていく。結果として、自らの仕事の効率や生産性も向上する。そのことに満足とやりがいを見いだし、さらに次の改善活動に取り組むといったサイクルを回せるようになったことがSKPの大きな成果だと思います。――活動当初に設定された数値目標の達成についてはいかがでしょうか。亀山:3年間の活動の結果についてご説明しますと、17人の活人化ができ、生産現場から物流現場などへ異動、繁忙期に雇用する派遣従業員の削減といった効果を出すことができました。金額にして1億4800万円の削減、また、製造ロスの低減で1200万円、合わせて1億6000万円のコストダウンになりました。 そして、原料・資材で1億7900万円コストダウンし、総額3億3900万円のコストダウンが実現でき、計画2億円のコストダウン目標を大きく上回ることができました。 SCMリードタイム短縮においても、主力商品である「きき湯ボトル」の製品仕様変更を実施し25%のリードタイム短縮を実現しています。 これらの結果とし、労働生産性40%向上という重点目標については、44%向上と目標を上回り、生産部全体の自信に繋がっています。 以上のように、おかげさまで当初掲げた生産性向上とコストダウン、それを達成する人と体制作り、そしてそれを支えるマネジメントの基盤構築の3つを達成することができました。 残念ながら在庫目標1ヶ月についてはあと少しで達成できませんでしたが、今後も全社協力のうえ、活動を続けていきます。企業価値を高める改善への扉3年間の活動で生産と人財、マネジメントに関する目標を達成。「解決はみんなでするもの」で達成感をASAP 4