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概要

ASAP2017vol_1

株式会社サイカワ特1 企業インタビュー CORPORATE ERVIE特集INTERVIEWこだわりのオーダーメイドを支えるのは設計部門の生産性向上への弛まぬ取り組みから 株式会社サイカワは1910(明治43)年に西川鉄工所として創業。電線、通信ケーブル、半導体用ボンディングワイヤー等を”製造する機器”「伸線機」の国内唯一の専業メーカーとして今年で107年の歴史を持つ。 大正時代に入ると石油のさく井機械の製作を開始。これは1899(明治32)年、国内最古の製油所である日本石油柏崎工場(現在のJXエネルギー)が設置され、大正時代、同社が所在する柏崎地区が石油産業で大いに発展し、関連機器の需要の高まりを受けたものである。 1933(昭和8)年には先々代の西川弥平治社長と懇意だった理化学研究所の大河内正敏博士の依頼と指導の下、細部の部品が欠けたドイツ製の中古の伸線機を輸入。関忠三郎専務が設計改良を行い、1934(昭和9)年に第1号機を完成。翌年にかけて10台を製造した。これが伸線機メーカーとしての「サイカワ」のスタートとなる。 戦前は軍の指定工場として兵器も生産したが、戦後は伸線機の製造を再開。現在では電線のほか、通信ケーブル、光ファイバーケーブルの伸線機の製造に加え、半導体ICチップに使用されるボンディングワイヤーや放電加工機に用いられる電極線、パソコンや携帯電話の配線に欠かせないフラットケーブル用製造装置も手がけ、この分野では世界トップのシェアを誇る。 また、世界で唯一15ミリから0.01ミリまで幅広い線経、線種、銅、ステンレス、鋼、貴金属、アルミ、合金等あらゆる金属に対応し、送電線から腕時計の内部で働く極細ワイヤーまで、高い技術力で多種多様な伸線機を提供している。 同社の伸線機はオーダーメイド。競合となる海外メーカーは手間と時間のかかるオーダーメイドを避ける傾向にあるため、同社は100%個別受注生産体制で対応。顧客の意向を全て取り入れた設計・製造で生き残りをはかる。 現在はオーダーメイドの精神はそのままに作業の効率化にも着手。工程の中で、最も時間のかかる設計の生産性向上への取り組みを紹介する。株式会社サイカワ 全景写真株式会社サイカワASAP 2