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概要

ASAP2017vol_1

――貴社の概要をお聞かせ下さい。相沢:当社は太い線を細い線にする機械「伸線機」を中心に製造しています。線にする素材も銅、アルミ、ステンレス、鋼、金などの貴金属と様々です。できあがった線を撚り合わせる「撚線機(よりせんき)」や線を板の用に平らにする「圧延機」なども製造しています。 線の太さ(線径)も様々でかなり太い15ミリのものから髪の毛より細い10ミクロン(0.01ミリ)のものまで扱っており、用途も電線にとどまらず、LSI用のボンディングワイヤーや超電動ワイヤー、少し変わったところでは女性の下着に入っている形状記憶合金ワイヤー用の伸線機も製造しています。8ミリ以下の銅線をつくる伸線機の国内シェアは8割から9割に達していると思います。――コンサルティングを導入いただいた経緯をお聞かせ下さい。相沢:伸線機を作り始めて80年以上になりますが、その間、景気の波を受けて、それなりに浮き沈みを体験してきました。しかし今から10年位前から世の中の動きが見えにくくなってきたように感じています。 当社は顧客の多種多様なニーズに対応するため100%個別受注生産しています。またこのようなオーダーメイドへのこだわりは競合する海外企業と差別化するためでもあります。 しかし、そのために製造現場は設計図がないと身動きがとれません。製品を受注してから納品するまで普通6カ月程度かかるのですが、それを「3カ月でお願いしたい」と言われることもあります。また製品を受注し、設計・製造に動いている最中でもさらに別の企業からの発注をいただくことがあります。 たとえ忙しくなっても製造は協力会社にお願いすることができます。しかし、設計はそうはいきません。仕事が立て込むと開発のための人手が足りなくなってしまうこともあります。また、品質の低下も免れません。この悪い流れを断ち切るためにも設計部門の生産性向上は欠かせない課題なのです。 顧客と打ち合わせした内容を設計図面にして少しでも早く製造現場に流すということができないと納期やコストなどの面で世の中から取り残されてしまう。ここ10年間でそんな危機感を持つようになりました。 そこで外部のコンサルティング会社の力を借りて設計部門の生産性を向上させて、生み出した余裕時間を新技術の開発や納期短縮に振り分けることでさらなる成長につなげようと考えました。―― さまざまなコンサルティングサービスを提供する会社がある中、テクノ経営総合研究所をなぜお選びいただいたのかお聞かせください。相沢:きっかけは西川正男社長から「参考になるかもしれない」とテクノ経営のセミナー案内のパンフレットを手渡されたことです。当社の旧社名は「西川鉄工所」というくらいで「機械屋」です。今も一般的な社員教育は他社にお願いしていますが技術的な悩みについて相談できる会社はなかなか見つかりません。 テクノ経営は生産技術に関して専門的な知識と実績を持っています。セミナーには私と技術部長が参加しましたが、設計やクレーム対応、生産性の向上といった、その時、我々が悩んでいるテーマについて聞くことができ、当社の参考になるはずだという確信が持てたので工場診断をお願いすることにしたのです。 いざ指導が始まってみると初期の段階では毎週の指導、最近では5Sやヒューマンエラー防止のための勉強会を開催する等、一般的な知識に関して現場力の底上げを図ることができ総合的に生産性の向上に貢献してくれているなと感じています。特集1 企業インタビュー CORPORATE INTERVIE特INTERVIEW株式会社サイカワ正確な設計図を早く生産現場へ3 ASAP