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概要

ASAP2017vol_3

荒尾:自分たちだけの世界では限られた発想しか湧きません。外部の知識を取り入れ、参考にすることにも意義がある。自分たちの固定概念がある、そこを外部から見てもらって「そうじゃない」と言ってもらう。そういう機会がないと、たぶん一歩も前に進まないと思います。先程も話題に出ましたが実際、改善が頭打ち状態だったという背景もあります。谷川:以前は三菱電機の生産技術部などから講師を招いて研修を実施していました。現在の部長クラスなどが受講し、改善手法などを学んでいたのですが、それから相当な期間が経ち人の構成も変わっています。新たな改善手法などを学ぶという点でもコンサル導入は有効だと感じました。―― 活動の概要についてお聞かせください。荒尾:活動開始は2016年3月、ちょうど1年が経過しました。成果報告会を先日開催し、2年目の活動に向けて意気を盛り上げたところです。 V-UP活動という名称は、実は私が命名させて頂いたものなのですが、まずValue(価値)を高めるということが頭に浮かび、その中でみんなの意識を高めるためには、Valueを目指すためのテーマが必要ではないかと考えました。 活動名のVには6つの意味があり、それらをUP(向上)させることで、最終的な利益向上をめざす。つまりVictory(勝利)を目標に活動するという意味が込められており、価値を高める事を第一優先に考えています。これが基本であり、これがないと恐らくやっていけない。これらの要素を高めないと会社も良くならないという自覚もありました。ゆくゆくは世界の市場で勝っていく、生き残っていくという事を最終目標に、まずは価値向上という視点で宣言しました。 V-UP活動には「知識と行動」を身につけるという含意があります。そして、活動成果を定量的に把握し、知識を使い行動していくための着眼点として、職場の作業を価値作業(主体作業)、付帯作業、ムダ作業に3区分して捉えて活動を進めて行きます。・価値作業とは、純然たる価値作業でお客様からお金を戴ける部分。・付帯作業とは、運搬や片付けなどの作業。・ムダ作業とは、空歩行やモノ探し等を指します。 この3つを客観的に数値化し、把握を行い、価値作業の割合を増やしていく活動につなげる事で現場の作業環境の改善、同時に会社自体の発展も目指します。また、この活動を通して今まで以上にみんなが活躍できる事を期待しています。―― V-UP活動の対象部門をご紹介ください。荒尾:今回の活動は、デバイス応用部と高周波製造部という異なる製品を扱う2部門で展開しました。 デバイス応用部は、当社事業のウエイトが大きい車載用半導体の製造を担当しています。業界内の評価に対する自負はありますが、厳しい競争環境にあるのは事実です。お客様からの高い要望に対し、価格や納期面などの対応力をつける必要があり、設備・機械化も進めているのですが、まずヒトの作業という改善テーマが残っている。それをどう進めるかが課題となっていました。 一方、高周波製造部では高周波製品のモジュール製造を行っています。現在、こうした旧製品の製造およびカタログ販売を行っているのは全世界で当社だけとなりました。それだけに希少価値もあり、三菱電機株式会社からの事業移管を受けて、過去40年をかけて成熟してきた事業なのですが、今後の方向性で行き詰るところもあり、改善が必要な部門となっています。 ある意味では、先程の活動開始の経緯に入るのかもしれませんが、改善の頭打ち状態の状況ではトップダウンでやっていってもなかなかネタも尽きてありません。また当時(1年前)は経営損益もいま一つ、生産に追われるという中で目標達成できない現実もあって、V-UP活動― 価値向上を目指す企業価値を高める改善への扉? Vitality (活 気)   ? Velocity(素早さ)? Vigor (活 力)   ? Value (価 値)? Visualization(見える化) ? Victory (勝 利)V-UP活動(6つのV)ASAP 2