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概要

ASAP2017vol_3

ては、情報を伝え、人を動かすことの難しさを学びました。今までの活動がずっとトップダウンでやってきただけに、私が何かをいうと「また部長が何か言っているな」という受け取り方をされる。なかなかいい反応は返ってこない訳です。ところが若い高村コンサルタントが来ると、なぜかみんな言うことを聞く。やはり内部だけではどうしても限界があります。外部から来られると雰囲気も変わって良い効果があることを実感しました。――確かに人をやる気にするのは難しいものです。荒尾:グループリーダーなどはコンサルタントの話を理解してやっていますが、下に情報を伝えることが難しいのだなと思います。自分自身が分かるのと他人に伝えるのでは、少し方法論が異なります。 デバイス応用部は製品も新しく人員も若い人が多い。しかし対照的に高周波は設備も古く、人員も再雇用の方を含めて、昔から勤務している人が多数働いています。彼らとしては「これが正しいやり方」といった固定概念を持っていて、それを打ち崩すことは非常に難しい。思っているように人は動いてくれない。これが改善活動を通じて感じた苦労でした。――今後の改善についてはいかがでしょうか。荒尾:現在、高周波については材料の切り替えが進んでおり、造り溜めをしなければならない状況にあります。生産量が急激に増えるなか、いかに多能工化を進めるか、ムダな作業をいかに減らすか。ムダを無くして利益に結び付く価値のある作業を増やさなければいくら人手があっても足りません。その問題をいかに解決するかが課題です。増員も考えており、新しく入社した人が無理なく作業に入れるように、現場をきれいにしていくことが大切です。まず下地作りをすることが必要になっています。 デバイス応用部は、需要が少し低迷する傾向もあるので、いかに効率を上げていくか、ここでも多能工化―― 改善は現場教育にも役立つと言われますが。荒尾:現場で行う教育は、やってみないと分かりません。セミナーだと一方的に聞くだけなので、自分の立場に置き換えて理解することが難しい。それができるレベルの人はごくわずかだろうと思います。だから実際に現場に来てもらって、自分が取り組んでいる現場の改善を指導して頂き、「どうすればできるか」を考え、試行錯誤を通じて身に付けていく。実践を通じて改善の知識を養うこと、これが生きた教育だと思います。高村コンサルタントからは、さまざまな改善手法や考え方を教えて頂きました。非常に多くの知識をお持ちの方だなと感じています。―― 改善活動でご苦労された点はなんでしょうか。山木戸:やはり事務局として活動の準備が大変でした。当社ではコンサルティングも初めてなので、現場の皆さんも何をするのかがよく分っていない。その説明にも時間が掛りました。活動に入り込むまでが大変で、そこが一番苦労しました。 特に活動当初の、価値日報(活動指標)の作成では、グループ内で価値の認識を揃えるのにとても時間が掛り苦労しました。最終的には意見もまとまり、各々の作業の「価値」を認識できました。価値日報は現在も順調に運用できています。 また、C改善の発表会を開催した際に、経営層へ発表する機会がほとんど無かったこともあって、発表者の方は準備の段階からとても緊張されておりました。何度も発表練習に付き合い、無事に発表会も成功に終わりました。事務局としては大変でしたが、活動メンバーの方々の「改善成果を伝えたい」という姿勢と、発表後のホッとした表情に、事務局として安心したのが印象に残っています。――事務局のサポートが功を奏したのですね。荒尾:今回の活動で事務局が奔走してくれたのは事実です。それには非常に感謝しております。私自身とし特集1 企業インタビュー CORPORATE INTERVIE特INTERVIEW今後も継続してV-UP活動を展開事務局のがんばりが活動を支えた株式会社シナジーテクニカ5 ASAP