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概要

ASAP2017vol_3

 『生産性の改善が思ったように進まない』、そのようなお客様のお悩みを受けてお手伝いをさせて頂いております。お客様は多種多様。量産製品の企業、一品一様の企業、半導体、自動車、電子機器、医療品、飲料、お酒、クリーニング、家具…労働集約型の職場、そうでない職場。また、改善テーマもさまざまです。労務費削減、品質向上、納期短縮。従って、アプローチ方法も多種多様になります。 しかし、どのお客様に対しても、改革を成功させる為に私なりに大切にしている事があります。その中の一つが改善風土を醸成する事です。 懸命に働く、大変勤勉な職場と、改善風土がある職場は必ずしも一致しない。風土とは、その組織の空気の様なものです。『問題に気づいても、放置されてしまう』このような職場は改善風土の無い職場と言えます。 ではどのような流れで職場の空気は形成されるのでしょうか?それは、そこで働く人の行動により形成されます。 改善を進める為に、『現状に満足せずに自分達で問題を見つける、その問題を自ら行動して改善する』という、職場を目指したい。 この様に『問題を見つけ改善する』と言う行動は、ボトムアップでの改善活動と同じ考え方です。改善の世界でボトムアップ活動が職場の活性化に繋がると言われている理由です。 私も改善風土を醸成する為に、活動の初期段階でボトムアップ活動を始めます。 多くのお客様でも既にボトムアップ活動を実施されている場合があります。しかし、それでも改善風土がなかなか醸成されていない。つまり、ただボトムアップ活動をすれば良いと言うわけではありません。 改善風土を醸成するためのボトムアップ活動で大切なポイントが2つあります。  ①問題に気づく力を養う  ②問題を自責で捉える力を養う 問題に気づいたら放置せず、直ぐに改善行動ができる職場になるために抑えておきたいポイントです。 身の回りには多くの問題が有ります。しかし多くの場合、それらに気づいていません。まずはその事に気づく必要があります。 問題に気づく事は簡単な事に感じるかもしれませんが、日々働いている職場で問題を見つけ続ける事は難しい。配属された当初は問題があると気づき易いのですが、時間が経過するにつれて問題に慣れ、次第に問題が見えなくなります。従って、問題を見つけるトレーニングが必要となります。 活動の中で気づきメモというツールを使用し問題に気づく力を養います。 その際に注意すべきポイントは以下の2つです。・ノルマを設定する:ポイントは気づくまで問題を探させる事です。気づいたらメモに記入するだけでは、いつまで経っても問題に気づく力は養われません。他人のメモを見て真似する事を推奨する等、他人の考え方から新たな『問題発見の切り口、視点を学ぶ』機会を作る事も必要です。・テーマを設定する:漠然と問題を探すのは、問題に気づけない人には難しい。慣れるまでは、気づかせたい問題に誘導するテーマを設定します。そうする事で、考えながら問題を探し、問題に対し深く認識できるように進めます。 以上の内容を盛り込み、気づきメモを活用し、身の回りに多くの問題がある事を認識頂きます。 問題に気づいても、その問題を放置しては意味がありません。改善行動を促すためには問題を自責として捉え問題に気づく力を養うボトムアップ活動の真の目的高 村 光 二株式会社テクノ経営総合研究所中四国カンパニー マネジメントコンサルタントたか  むら   こう  じ1 はじめに2 改善風土とは?3 問題に気づく力を養うためには?4 問題を自責で捉える力を養う為には?特集27 ASAP