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概要

ASAP2017vol_4

 コンサルティングを導入して改善活動を進めたいと判断された理由は、「VPM活動が私たちの抱えている改善テーマと一致することを知ったから」(三石社長・談)。人の意識と行動に焦点を当て、全員参加の活動で生産性向上をめざすVPMの考え方がマッチしたためである。 課題は、売上は拡大傾向だが利益が伴っていないことである。現場にある数多くのムリ・ムダ・ムラが利益を圧迫している。そこでMan(人)、Machine(設備)、Method(方法)の観点から工場診断による工場の現状分析を試みることにした。それによりこれから進める改善活動の方向性も決まってくる。 製造部門には、Preform(前工程/接着・カット)、Molding(射出成型・組立)、Trimming(検査・トリミング)の3工程がある。1日をかけてコンサルタントにお願いした工場診断。その結果、把握された課題は人・設備・方法に関するものであった。 作業に対する姿勢はまじめだが業績に反映されていない。何をいつまでに完了させるのか、目標や達成度の見える化により作業者自身の目標設定を進めていかなければならない。 その鍵はミドルクラスのレベルアップ。モチベーションは高いがヒューマンスキルに問題がある。成功体験が少なく、行動による知識と経験がないため、日々の業務における疑問が出てこない。コミュニケーション不足が部門間の連携を阻んでいた。 明確な管理指標を策定し、全社で共有化することも必要だ。安定基盤である売上確保と営業利益の向上、それを300人体制で実現する。 トップダウン傾向が強かった過去の社内改善では、問題が発見されても肝腎の真因追究ができていなかった。当時者意識として現場の問題認識が甘いため、どうしても改善のスピードが遅くなる。この欠点を補うため、これからの活動は現場主導のボトムアップで進めることになった。 2015年7月にスタート、活動名は従業員より募集したもので、NEO-SKM(New way to work Effectivein our Organization)と決まった。これは「私たちの新しい働き方は私たちの新しい効果を導く」という意味である。 活動スローガンは、“ BETTER WORK BETTERLI F E ”(より良い働き方、より良い生活)。より「仕事を快適にする」ことで、働きやすい職場をつくる。それを通じて、「会社の成長」と「社員の幸福度」を増すという活動の目的を定めた。 活動組織は、エクゼクティブプロジェクトリーダーである三石社長のもと、堤坂氏がプロジェクトリーダー、5名のシニアチームリーダーが活動事務局を担当、コーディネータ(5名)が協力メンバーとなって組織された。企業価値を高める改善への扉工場診断で現状を知る現場主導で活動開始・スキル・知識の不足・コミュニケーションギャップ・作業の生産性が低い・欠勤率が高い・設備の稼働能力が発揮できていない・設備の稼働効率を測定する指標がない・プロセスにおける時間損失が多い・プロセスが続行できない・作業の重複がある・難解な作業指示書― Man(人)―― Machine(設備)―― Method(方法)―ASAP 2