ブックタイトルASAP_201806
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ASAP_201806
特別記事Consultant Column 日本生産性本部が公表した『労働生産性の国際比較2017年版』によれば、日本製造業の生産性はOECD加盟国のなかで14位にランキングされています。2000年までは主要国のなかで日本の生産性は第1位でしたが、その後、順位を大きく下げる状況が続いています。 海外生産増加との関連性も言われますが、業務改革の立ち遅れが目立つ間接部門の影響も大きいと思われます。働き方改革による間接部門の生産性向上や残業時間の削減が課題となっています。 働き方改革は生産性を上げることから始まります。テクノ経営総合研究所では、省力化(仕事のムダを省く)→少人化(少ない人数で仕事)→活人化(余力活用)というステップを提唱してきましたが、最終的な目標である「活人化」には2つの視点があります。まず社員一人ひとりを活性化し、個人の仕事と生活の調和を考える余裕を生み出すこと。さらに、社員の力を新たな事業や収益確保に活かすことです。そのためには間接部門の業務を見直し、ムダやムラをなくす努力が必要です。 いまだに日本の職場では残業を美徳とする空気がありますが、国際生産性で上位を占める欧米の常識はまったく違います。たとえばドイツ人はワークライフバランスを重視する民族ですが、仕事はヒトではなく会社に帰属するという考え方があり、日本社会の常識である「お客様は神様」という発想はありません。1日10時間を越える労働は法律で禁止されており、残業が多い部署の管理職は評価されず、社員は無能とみなされる。反対に残業なしで成果を挙げることが評価につながるという、公私共に効率を重視し、ムダを嫌うメンタリティが基盤にあります。 残業が減らない原因は大きく5つに集約されます。その症状となぜ起こるのかを紹介しながら、その処方箋を考えてみましょう。間接部門改革の基本的な考え方と進め方南野 嘉也間接部門改革が必要な理由なぜ早く帰れないのか働き方改革の真意とは13 ASAP