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概要

ASAP_201806

コンサルティング最前線 省エネ法では、エネルギー資源の有効活用を目的に、原油換算で年間3,000kl以上のエネルギーを消費する事業所を「第一種特定事業者」に定めている。豆腐製造には水や電気・ガスなど、大量のエネルギーが欠かせない。大規模な工場設備を抱える第三工場と芳賀工場は「第一種エネルギー管理指定工場」として、エネルギー使用の定期報告、エネルギー削減に向けた中長期計画書を提出する義務を負っていた。 ところが、年々倍増する生産に忙殺される中、各工場のエネルギー使用量が正確に把握されておらず、省エネ対策の計画や全社的な管理規定等の整備も出来ていない状況であった。コンプライアンス上の必要性からも、コスト意識を育てる意味でも、省エネ活動に取り組む意義は大きいことから、2013年より第三工場の活動を始めることになった。品質保証部が主導する省エネルギー活動コストダウンと職場活性化の全工場展開!相模屋食料株式会社 「おいしさの追求」「安心・安全の追求」「高品質を安定供給」を3つのこだわりとして、直近15年間で売上7倍という驚異的な成長を続ける企業が相模屋食料株式会社である。 老舗の豆腐店として、豆腐づくりの基本である“絹”と“木綿”の伝統を守りながら、一方で業界のリーディングカンパニーとして、新しい商品開発にも力を入れ、従来の常識にとらわれない新しい豆腐づくりの可能性を探っている。 最新鋭の機械設備を導入し、日本一の規模を誇る第三工場と平成28年3月に稼動を開始した赤城工場を合わせ、全社で毎日150万丁を超える豆腐づくりが続けられている。ロボットアームを駆使した“ホットパック製法”は、できたての豆腐のおいしさを届けるため開発された技術。 従来の方法では水の抵抗により、パック詰めのスピードに限界があったが、“逆転の発想”で豆腐に合わせてロボットがパックをかぶせる製法を考案。パック詰めのスピードを飛躍的にアップさせ、熱々のままパック詰めすることで、常にできたてのおいしさを閉じ込めることをも可能にした。 豆腐の材料は“大豆・水・にがり”と極めてシンブルだが、気温や湿度などの条件により大豆と水の配分を読む熟練の技術と感性が求められる。相模屋食料株式会社では、大豆の質に対する徹底したこだわりと伝統的な職人の技を重視する“一丁入魂”の豆腐づくりの研鑽が日々続けられている。 相模屋食料株式会社には7つの工場があるが、かつては省エネルギー管理の全社的な基準が整備されていなかった。そのため第三工場から始まった省エネ活動は他工場にも水平展開、現在では全社体制の活動として継続されている。品質保証部が主導しながら進められた省エネ活動についてレポートする。相模屋食料株式会社 赤城工場はじめに省エネ体制の構築に向けて企業レポート11 ASAP