ブックタイトルASAP_201806
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ASAP_201806
スタッフ部門が進める業務革新 企業レポート1 活動組織としては、専務(プロジェクトマネージャー)、工場長(プロジェクトリーダー)をトップに活動体制を組み、品質保証部が事務局を担当することになった。また、協力メンバーには、各部門への参加を要請。活動推進の中心である製造部からは、各製造ラインより8グループを編成。各グループからリーダーを選出してもらった。 活動に際しては、省エネ法についての基本的な理解を深めるため、各リーダーを対象に「省エネ研修」を実施した。これにより活動の方向性や目的の共有化が出来た。当初は、週1回の会合を通じて、コンサルタントと共に勉強しながら改善を展開、同時に活動方針や活動の指標づくりなどを進めていった。 毎回の活動では、コンサルタントと一緒に工場内を歩きながら、現場の問題探しを進めていった。電力の見える化では、実際に電力を測定し、ムダやロスを発見する実習を繰り返した。 初年度の活動は、原単位(生産量/エネルギー使用量)8%削減を定量目標とした。活動成果を金額で表示したことは同社独自の工夫。原単位の削減をkWや?などの数値で示すよりも、人がいない事務所の照明は何円×台数、機械の修繕を実施した場合は何円等、金額で表した方が各メンバーにとって省エネ活動の貢献度がより実感できる。また、コスト意識の醸成、お互いの競争意識やモチベーション向上につながる効果もある。ちなみに、判定には活動事務局が論理的な数値に基づきエクセルで作成した管理台帳を使っている。 各グループの活動は、「個別会議」で内容をまとめ、「月例会議」でリーダーが報告することで、お互いの改善を共有し、より効率的な活動推進につなげるようにした。報告資料には、電気・ガス使用量をグラフで見える化し、改善テーマの実施状況を記入した。各工程で発見されたテーマや改善の進捗状況を共有することで、エネルギー使用状況の把握や原単位の変動要因等を議論するネタになる。会議でもグラフを中心としたコンパクトな発表資料が非常に役立った。この「月例会議」の仕組みは、第二期以降の横展開においても役立っている。 活動の初期は改善件数にこだわった。1グループ100件という目標を立て、広くアイデアを求めた結果、簡単なアイデアから複雑なものまで、様々なテーマが集まった。たとえば「パソコンの電源を切る」といった小さな改善でも、工場全体となると台数が多いため省エネ効果は意外と高い。集まった改善テーマはすべて一覧化して、すぐに着手できるものから実行していった。 この「改善テーマ一覧表」は、活動当初からすべてリスト化されて残されているため、第二期以降の活動でも非常に役立っている。リストには挙がっているが、未着手の改善や、中断した改善、その当時は制約条件により着手できなかった改善など、これらを定期的に見直すことで、新たな改善テーマとして取り組むことができるものが多い。また、不要時にスイッチを切るなどの努力レベルの改善では、すでに実施されなくなっている場合も多い。「改善テーマ一覧表」は、他工場への横展開を進めるうえでも非常に立った。活動成果を金額で表示ボトムアップの会議体制製造部を中心に改善推進改善件数にこだわるコンプレッサーの現場セミナーASAP 2