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概要

ASAP_201806

スタッフ部門が進める業務革新企業レポート2製造メンバー全員を活動組織に編成し活動を開始した。 活動の進め方としては、推進リーダーを中心に生産性指標(総合効率)、改善進捗状況を確認。困り事や問題点、効率向上についての日々のミーティングを製造メンバー全員で実施する。業務の繁閑により活動が停滞しないよう、繁忙期でも製造の手を停めずに活動を行った。 一品一様の製品が多いため、毎日の生産性をモニタリングする総合効率を現場に導入することは難しいとの意見もあったが、各職場で日々のデータ収集の工夫を重ねることで総合効率のメリットを上手く活かすことができた。 これまでは生産性の指標として月締めの売上金額と労務費を用いていたが、どの製品や工程の生産性が良かったのか、悪かったのかが見えてこなかった。しかし、総合効率の導入後は、日々の各工程の効率が良かった理由、悪かった理由を把握できるようになった。 例えば、製品の流し方を変えることで効率が大きく上がり残業削減につながること、同じ仕様でも鋼材メーカーにより加工の難易度が異なり効率を変動させること、設備トラブルの効率に与える影響などが定量的に見える化できた。 また、これまでは翌日以降の定量的な仕事量が分らなかったが、事前に把握する事ができるようになり、仕事が少ない日は他工程への応援出しや職場の5S、改善ミーティングの開催など、積極的な時間の有効活用もできるようになった。 日々の生産性の見える化、現場メンバーからの効率化に向けた意見出しや改善の推進により月次の総合効率は着実に向上した。また、毎日の総合効率をモニタリングすることで、現場メンバーが効率化を意識して生産活動を行うようになった結果、活動前に比べ残業代の削減や工数当たりの売上が向上するなどの経営面の成果も着実に上がってきた。●多能工化に挑戦 鉄工部 鉄工部では、圧倒的な受注生産量と短納期対応の対策として、繁忙期の業務負荷を平準化する必要に迫られていた。そこで改善の力点を「多能工化」に置き、必要な時に他部門を応援できる体制づくりを目指した。 稼動中の6ラインをお互いに接近させ、統括リーダーとの対話を行うことで、現場を動かしながら多能工化の素地づくりを進めていった。その結果、以前は繁忙期における部門間の仕事量に差がみられたが、改善後は業務効率が向上し、特定の部門だけに残業が集中することがなくなった。 鉄工部の吉水部長によれば「量産品については上期中に当初の目標を達成でき、下期の繁忙期には、余力となった人員を他部門の応援に回すことができるようになった」という。総合効率による生産性の見える化活動の取り組み総合効率推移(2015年10月~2016年7月)ASAP 6