ブックタイトルASAP_201811

概要

ASAP_201811

特集4 CONSULTANT COLUMN　近年、ものづくり企業における現場力の低下が問題になっています。　一言に現場力といっても様々な捉え方ができますが、自律的に問題解決に取り組むことのできる力、機転を利かせて対応できる力などが現場力を構成する要素だと考えられます。そうした現場力の基礎は、各社の組織風土や受継がれてきた技術・技能がベースになっています。　それらの知識や経験をいかに伝えていくかが重要で　自社の固有技術を含む技能をいかに受継いでいくか。技能伝承は人材教育における重要なテーマです。技能伝承における暗黙知とは熟練者の経験則。それをいかにわかりやすく伝えるか、これが技能伝承を成功させる決め手です。すが、それも一朝一夕にできるものではありません。特に昨今、深刻な人手不足が続くなかで一人一人の社員の負担が増加し、人材育成にかける時間が取れないという状況が発生しています。　また同時に職場環境の変化も大きな要因です。団塊の世代が職場を去り、現場にはパートや派遣社員の姿を多く見受けるようになりました。これら就労形態の多様化や仕事観の変化も現場力の低下に影響しているのではないでしょうか。人材育成の課題暗黙知から形式知へ―技能伝承の秘訣人材育成に活かす！現場力を鍛えるファシリテーションの進め方株式会社テクノ経営総合研究所東日本事業部　みらいカンパニーカンパニー長　マネジメントコンサルタント沢柳　知治技 能知 識情 報治工具形式知の代表、作業に使用する外部文書、帳票に含まれる必須の数値、データ、製造条件表、換算表、各種ゲージデータ、図表作業に使用している汎用工具、専用工具、及び特殊な治具、あるいは計測器、メジャー、専用ゲージ類形式知化可能な潜在的情報作業に使用している経験則、コツ、不文律などの記憶済情報暗黙知（文書化できない技、匠）高度な手作業、熟練作業説明不可能な高度な判断、センス、創造性、芸術図1技能分解４分類の定義19 ASAP