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概要

ASAP_201811

1企業レポート二代目 山本德治郎新たな生産拠点、佐賀工場の概要と課題常に進取の精神を発揮し、革新的なサービスや商品を提供し続け、現在も業界のフロントランナーとしての地位を揺るぎのないものとしているが、その基礎を作ったのは二代目 山本德治郎であった。専務取締役 営業本部長の山本 貴大氏によると「二代目は海苔業界に大きな革新を2つ起こしている。一つ目は海苔の“仕訳”を初めて行ったこと。現在で言うマーケティングの手法で、顧客ニーズに応じ海苔を8種類に分類して販売し、当時としては画期的であったこの販売方法により顧客の支持を得て『海苔は山本』と言われるようになる大きなきっかけとなった。 二代目の取り入れた8種類の分類とは①食(自家用)②棚(進物用)③焼(焼海苔の原料用)④味(味附海苔の原料用)⑤寿司(寿司)⑥蕎麦(蕎麦)⑦裏(卸用)⑧大和(佃煮用)であり、この徹底した仕訳力は、以降当社のコアコンピタンスとして脈々と現在の経営にも受け継がれている。またもう一つの革新は『味付け海苔』を初めて作ったことであり、当社は味付け海苔のパイオニアとしての自負を持って、現在もよりおいしい海苔の開発に向けた取組みを推進している」とのことであった。 中興の祖である二代目以降も各時代の海苔業界において革新的な取組みを進めてきた山本海苔店では、創業当初から生産地に近い場所で新鮮な海苔を加工してお客様に届けることをポリシーとして来たが、1971 年から操業を開始した秦野工場(神奈川県)は物流面の地理的優位性を重視して設置された工場であり、生産地との距離感があることは否めなかった。そこで生産者と消費者との距離を縮め、最上級の海苔を鮮度感のある商品に作り上げることは、山本海苔店において経営の最重要課題の一つであり、企業理念を具現化するために不可欠との判断から、2014年9月、日本最大の海苔生産地、有明海をのぞむ佐賀市の久保泉第2工業団地に新たな生産拠点「佐賀工場」を設置することとなった。 佐賀工場は敷地面積10,000㎡、工場4,952㎡の延床面積を擁し、原料輸送の時間短縮及び劣化リスクを回避するため、工場内に原料を保管する冷凍倉庫を棟内に設置している。この地に工場を設置した理由について山本氏は「当社は創業時より日本橋、大森と海苔の生産地に近いところで製品づくりを行ってきた。これは新鮮な海苔を新鮮な状態で加工してお客様に届けたいという当社の生産に関するメンタリティに基づくもので、そういう意味では秦野工場から佐賀工場の移転は言わば原点回帰であり、本来あるべき姿に戻ったとも言える。また世界有数の干満の差を誇る有明海は多くの河川からのミネラル豊富な栄養塩が流れ込む恵み豊かな漁場で、1日2回の干出によりうま味が凝縮されることで佐賀海苔独特の味が作られると言われるが、仕入れと仕訳が重要な原料ビジネスである海苔業界において、良質な海苔を入手できる環境が近辺にあることも佐賀市に工場を建設した大きな要因」とのこと。 また佐賀工場に移転したことのメリットについて、佐賀工場 工場長の古谷 彰宏氏は「仕入部と生産地との距離が近くなったことが最大のメリット。ASAP 2