ブックタイトルASAP_201811
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ASAP_201811
以前は出張ベースで生産地に行って情報を取っていたのが、今は30分ほどで行ける距離になったので、情報収集量が以前と比較にならないボリュームになっており、この情報が仕入れ時に効力を発揮していると思う。また生産地との距離が近くなったことで、現在は年に数回、生産者の方が工場に来られるなど、当社の海苔に対する理念、考え方を知っていただく機会も増え、生産者とのコミュニケーションは以前と比べても非常に良好な状態にあると思う。移転によって、より品質の良いものを全国のお客様に提供できる下地ができたと考えている」とのことであった。このように佐賀工場の移転に伴い、山本海苔店が最も重要視する「品質主義」を徹底するために必要な原料について改善活動実施の経緯 現在佐賀工場で勤務する従業員は約70名で内20名が正社員。秦野工場から佐賀工場に移転した際、管理部門の人間は秦野工場から移動して来たが、現場の作業者は全員が現地採用であり、一部の人間が秦野工場で事前に1年ほど研修を受けたものの、ほとんどの人間は未経験であった。そのため操業開始当初は効率も何も無く、とにかく出荷に間に合わせることで精一杯という状況であったが、2年半ほどが経過し、ある程度現場の作業がまわせるようになってきたため、今後の佐賀工場の成長に向けて、生産性向上をテーマとした改善活動の導入を検討していたところ、テクノ経営の「1日工場診断」というシステムを知り、診断を受けることになった。そして診断の結果、コンサルタントから提示された「製造現場で利益を生み出す人財育成」というテーマによるコンサルティングの導入が決定され、2017年4月、「MIT20」(M=山本海苔店の登録商標である“まるうめ” I=イノベーション T=ターゲット 20=生産性20%向上)を活動名称として3チームによる改善活動がスタートした。 改善活動は2017年4月から2018年3月までのフェーズ1、2018 年から2019 年3月までのフェーズ2の期間で展開され、現在はフェーズ2の活動が順調に推進されている。活動スタート時の目標設定としては、定量目標では活動スタート時は大きなメリットを享受できる環境が整ったが、一方で課題となっていたのが原料を加工し、生産する人財の育成であった。改善活動の要旨から1年半~2年後に工場経費削減7,000万、定性目標では①体系的なロス及び設備トラブル削減手法の体得と維持管理の仕組み構築②生産性指標導入と生産性向上活動の推進③自ら改革し、継続して成長し続ける人財の育成を掲げた。まるうめマーク有明海の漁場風景1株式会社山本海苔店・佐賀工場3 ASAP