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概要

ASAP2018vol_3

特集3 一方、現場でよく使われる問題発見手法として「なぜなぜ分析」があります。品質不良の原因を繰り返し根源に遡りながら突き詰めていく手法ですが、実施者の力量や経験に頼る部分が多く、時間がかかるわりには原因追究が不十分になり真因がつかめないという傾向がみられます。 他にも、論理的につながりを調べるモデルとして「FT図(フォルトツリー:故障の木)」があります。これは要素ごとのエラー発生率を加算して、着目している事象が起こりうる確率を算出する科学的な手法です。ただ、一般的にはFT図が使われる範囲は限られているのが実情です。 このように問題解決手法は様々ですが、あまり煩雑になりすぎては使うことが出来ません。品質問題はシンプルに考えることが必要ではないでしょうか。次に私自身が経験により編み出した品質問題の解決手法について述べたいと思います。 「いきさつ(経緯)分析」では、正常な状態から、いきなり問題が発生することはないと考えます。問題になる前に「不具合な現象」が発生しているが、見過ごされている場合が多いのです。その「不具合な現象」の要因(原因)となっている事を「問題のタネ」とネーミングしています。 「問題のタネ」という呼び名は、多くの業界で現場の第一線の方やリーダーの方々に色々と意見をお聞きしたなかで、問題発見のイメージが沸きやすい呼び方として名づけたものです。品質問題の解決に向けては、問題のタネ(正常な状態から問題に変化したポイント)を発見することが大切です。 問題のタネに気づく方法は、現場で感じる「○○しにくい/××しやすい」を探すことです。 たとえば「見えにくい」「判りにくい」「やりにくい」「間違えやすい」「失敗しやすい」「忘れやすい」と図2:スイスチーズモデル問題の発生プロセスを捉える5 「いきさつ(経緯)分析」図3:「問題の発生モデル」15 ASAP