ブックタイトルASAP2018vol_3
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ASAP2018vol_3
企業価値を高める改善への扉しました。今後は台湾を拠点としてグローバル展開を推進していくことになります。―― 御社のフィンチューブの独自性・強みについて教えてください秋山:グレーチングの溶接技術を応用し、卓越した機械技術を元に、品質向上・新規開発を重ねた当社のフィンチューブの技術力はお客様に高い評価をいただいており、平成15年には、熱伝導率の高いアルミは熱交換器の素材として理想的でありながら、加工難度の高さから製品化は無理という常識を覆し、世界で初めてとなるアルミフィン溶接一体型のフィンチューブの開発に成功しました。この製造技術は現在も他社の追随を許さず、エコノマイザー、蒸気式空気予熱器、エアフィンクーラー等を通じて、お客様のエネルギー効率向上に貢献しています。また当社の製品は、基本的にすべてカスタマイズ製品です。「一品一様」で、ユーザーが求めるニーズにきめ細かに対応し、それに沿って製品スペックを設計・生産出来るのが、当社フィンチューブの独自性・強みだと言えます。―― 企業全体における環境・エネルギー事業部の役割とは黒川:当社の事業全体で考えると、環境・エネルギー事業部以外は主に在庫品を持って営業する事業ですが、私たちの事業はお客様のオーダーメイドに「一品一様」で柔軟に対応する事業。そういう対応から得られた発見や経験を社内で発信して行けば、他の事業部にも新しい視点を提供できるのではないかと思っています。またこの環境・エネルギー事業は事業部名通り、フィンチューブ、熱交換器のビジネスを通じて、エネルギーの有効利用による持続可能性のある社会への貢献を目指しており、事業を通じた社会貢献(CSV)の観点からも社会性の高い事業であると思います。私たちの事業はまだ新しいことにチャレンジしていく余地のある事業なので、ダイクレの更なる進化・成長に向けての起爆剤的な存在でありたいと考えています。―― 改善活動を始められた経緯についてお伺いします黒川:この改善活動をスタートしたのは平成28年9月ですが、その2、3年前ごろから事業部内で大きな世代交代が起こっていました。これまで、経営も、モノづくり現場も、強力なリーダーシップの元で運営が行われていたため、ミドルの経営への関与が少ない状況が続いて来ましたが、世代交代に伴いミドルに対してそれぞれの現場での自主自立が求められていました。またモノづくり現場においても、職人肌のベテラン社員からミドル、若手への技術継承にも悩んでいた時期でした。ちょうどそのころテクノ経営からからセミナーのご案内をいただき、新事業部長と共にセミナーに参加させていただいたところ、指示があっての改善ではなく、日々の気づきの重要性をセミナーで教えていただき、当時必要としていた「自主自立」のテーマと一致したため、改善活動に関するコンサルティングの導入を決定しました。秋山:私も事業部長、黒川さんと一緒にセミナーに参加したのですが、少し思いが違ったのは、グレーチング事業の担当からこの広島工場に異動して来た時、工場内でQCの取組みもしていなかった状況があったので、そういう文化・習慣の無い中で果たして改善活動が出来るのかなという気持ちがありました。でも改善活動をしている内に初めはゼロだった提案件数が30程度まで伸びてきた。改善活動に取組む姿勢も、どんどん前向きに取組む人が増えてきたのを見て、非常に頼もしいなと感じていました。ただ現状ではまだ自部門での活動が中心で、部門間で協働の改善活動としてはもう少し課題があると見ています。これまで改善活動の経験が少なかったということもあり、まずは自分たちの部署で、それから職場間へとつながって行けばと期待を込めて、今は見守っている状況です。世代交代に伴う「自主自立」の必要性肉盛溶接管とスーパーアルミフィンチューブASAP 2