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概要

ASAP2018vol_4

改善活動関係者取材 福山市は瀬戸内海の経済・文化・交通の要衝の地として発展し、広島県内では広島市に次ぐ人口約47万を擁する備後都市圏の中心都市である。昭和44 年大阪から福山市に拠点を移動したキングパーツ社は、以来常にこの地域との関係性を大事にしながら経営を展開し、企業規模と事業内容を拡大してきた。毎年8月に同社の敷地内で行われる夏祭りは、近隣の住民だけでなく、周辺からも「スリー・スマイル活動」による全員参加での生産性指標の立上げとミドルを中心としたボトムアップ型組織への変革キングパーツ株式会社 鋳造部ロストワックスによる製品事例①複数部品一体化ロストワックスによる製品事例②外観重要部品 「ロストワックス製法」は第二次世界大戦中にドイツで開発された複雑で精密な金属部品の製造を得意とする低炭素鋼の鋳造法である。昭和43 年、キングパーツ株式会社(以降キングパーツ社)の創業者である高橋孝一氏(現会長)は、当時アメリカのミシン部品の多くがロストワックス製法で作られていたことに着目し、この技術の手掛かりを求め単身渡米。そこで目にした従業員10人ほどの会社がロストワックスで鋳造している姿に確信を得て、ロストワックス製品の自社生産を決意した。それから約半世紀の間、常に時代の要請に先んじた開発力で、ロストワックス製法の精度向上と技術革新に努め、現在創業54 年目を迎える同社は、日本でトップクラスのロストワックス精密鋳造技術を誇る企業へと成長を果たした。100%国内生産にこだわった同社の製品は、航空宇宙・半導体・新幹線・医療・防衛設備・通信など、高い要求性能が求められる分野の最先端機器・設備の構成部品として使用されている。また『金型-鋳造-加工の一貫生産』体制により顧客の要望に柔軟に応え、多品種小ロット生産・高い品質・スピーディーな対応・安定した供給能力などへの高い評価から、年間の取引先数は約1300社にも上る。今回の企業レポートでは、鋳造部における改善活動の取組みを、関係者へのインタビュー、本年4月に行われた活動発表会の内容を基に紹介する。はじめに鋳造部における改善活動導入の経緯315 ASAP