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概要

ASAP2018vol_4

特集4海外での改善活動の進め方TMCT マネジメントコンサルタント 本田 和樹CONSULTANT COLUMN2018年1月にタイへ赴任してすでに半年が過ぎました。そんな海外で現場改善指導をする中で日々感じるのは、タイ人の方の問題解決に向けた“論理的な思考の弱さ”です。 これまでにベトナム、インドネシアの会社へも行かせて頂きましたが現場実態は似通ったもので、この問『ファスト&スロー』【人間の脳には2つの思考モードがある】◆「速い(ファストな)思考:システム1」は自動的に高速で働き、努力はまったく不要化、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。◆「遅い(スローな)思考:システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の働きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連づけられることが多い。 タイでは特に「遅い(スローな)思考=論理思考」を苦手とする人が多く、人間の脳にある2つの思考モードのうち、何の努力も要しない「速い(ファストな)思考=直観」に頼る傾向がある印象です。 しかしながら直観とは、十分な知識や経験があってこそ信頼性を得るものであって、不十分なままに疑問なく直観を信じるのはとても危険です。実際にそれが主たる原因で論理の飛躍を発生させていると私は考えています。 現状でこのような論理的思考力に問題を抱えるタイにあっては当然、現場の解決力向上を熱望する日本人経営者の方は多く、私どもに対して絶対的で包括的な、そしてオールマイティな「問題解決のフレームワーク」の提供を期待されることもあります。 残念ながら万物の出来事に適応できるような解決手法などはないでしょう。 ただし共感できるのは、多少強引だとしてもタイで題はタイだけでなく東南アジア全体に当てはまる問題でもあると感じています。 思考の傾向を紐解く上では、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』の考え方を参考にすると私としては妙に納得できるところがあります。は「問題を解決するためのフレームワーク(決まりきった手順)」を与えた方が論理的な思考に向けての第一歩が踏み出し易くなるように思います。 それは例えば、汚れた水をクリアな水に変える為に、各層がある役割をもって並んでいるろ過装置のように、簡易的ではあるが、一定の効果が望める問題解決の為の各種原則を並べて形作ったフレームワークのようなものでも構わないと考えます。 型にはめる事で思考の広がりを制御してしまうデメリットはありますが、これまでのように「速い(ファストな)思考=直観」を許すような自由は与えず、じっくりと回答を考える以外に余地を許さないフレームワークを用いる事で、「遅い(スローな)思考=論理思考」の訓練効果を期待できます。 右記では「改善検討の原則」⇒「改善の4 原則」⇒「動作経済の4原則」の手順で並べたものを問題解決の1フレームワークとして紹介します。1 海外現場の実態21 ASAP